機嫌(読み)キゲン

デジタル大辞泉「機嫌」の解説

き‐げん【機嫌/×譏嫌】

[名]
表情や態度にあらわれる気分のよしあし。快・不快などの感情。気分。「―がよい」「―を損ねる」
人の意向や思わく。また、安否やようす。「―をうかがう」
そしりきらうこと。嫌悪すること。
「時人の―をかへりみず、誓願の一志不退なれば」〈正法眼蔵・行持〉
時機。しおどき。
「病をうけ、子産み、死ぬることのみ―を計らず」〈徒然・一五五〉
[形動][文][ナリ](多く「御機嫌」の形で)気分がよいさま。愉快なさま。「だいぶお酒が入ってご―なようす」→御機嫌ごきげん
[補説]もと「譏嫌」と書き、そしりきらうの意。仏教で、他人の「譏嫌」を受けないようにする戒律「息世譏嫌戒」から出た語。のちに「機」が、気持ちに通じる意を生じてから用いられるようになった。
[類語](1感情気分気色きしょく気持ち顔色かおいろ風向き御機嫌上機嫌じょう情感心情情緒じょうしょ・じょうちょ情調情操情念情動喜怒哀楽感じエモーション/(2安否様子

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ)「機嫌」の解説

機嫌
きげん

本来は仏教語で「譏嫌」と書き、譏(そし)り嫌うの意で、世間の人々が嫌うことをさしたが、のち意義が多様に分かれ、それとともに「機嫌」とも書くようになった。「嫌」の字を「げん」と読むのは呉音(ごおん)による。譏り嫌うことに気を配る必要があるところから、ことばや態度、物腰などに表れた他人の意向や思惑(おもわく)を意味するようになり、さらに転じて、ようすや形勢、あるいは気分や気持ちの意となり、他方では事のおこる時機や機会を意味するようにもなった。今日では一般的に感情や気分をいい、「御」の字を冠して、愉快な心持ち、晴れやかな気分をいうことも多い。

[宇田敏彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

完全試合

野球で,先発投手が相手チームを無安打,無四死球に抑え,さらに無失策で一人の走者も許さずに勝利した試合をいう。 1956年ニューヨーク・ヤンキーズのドン・ラーセン投手がワールドシリーズでブルックリン・ド...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android