改訂新版 世界大百科事典 「八反取り」の意味・わかりやすい解説 八反取り (はったんどり) 水田の除草用具。10~15cm×20~30cmの板に,5cm程度の釘を多数打ち付けて通し,この板に柄を取り付けたもので,柄をもってイネの条間を前後に動かしながら進んでいく。釘で土をひっかき除草する。釘の代りにナイフ状のものを植え込んだものもあり,地方によりさまざまな形があった。この名称は,1日に8反(約80a)の除草ができるというものではなく,それまでの〈がんづめ(雁爪)〉による作業にくらべ,ひじょうに能率があがるという意味である。田打車のように回転可動部がなく,構造的に単純な,簡易型の除草具といえる。執筆者:堀尾 尚志 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報 Sponserd by