代り(読み)カワリ

デジタル大辞泉 「代り」の意味・読み・例文・類語

かわり〔かはり〕【代(わ)り/替(わ)り】

1 入れかわること。交替すること。また、そのもの。「前任者の―を探す」
2 ある役割を、他のものがすること。また、そのもの。
㋐代理。身がわり。「父の―に出席する」
㋑代用の品。「本をまくらの―にする」
3 ある事柄に相当して、ひきかえとなるもの。代償。「宿題をみてもらう―に肩たたきをする」
4 (多く「おかわり」の形で)同じものをさらに飲み食いすること。また、そのもの。「酒のお―を頼む」
5 「替わり狂言」の略。
[下接語]入り代わり・入れ代わり・御お代わり・其その代わり・立ち代わり・二の替わり(がわり)肩代わり・互かたみ替わり・代わり代わり・代だい替わり・台替わり・月代わり・手替わり・出替わり・年度替わり・早替わり・番替わり・日替わり
[類語]代物・別物・代表・代替・代替わり・代用・代理・代行・身代わり・肩代わり・代わる・代える・入れ代わる・成り代わる

がわり〔がはり〕【代(わ)り/替(わ)り】

[接尾]《名詞「か(代)わり」の接尾語化》名詞に付いて、…の代わりになるもの、…の代用になるもの、の意を表す。「親―」「名刺―」

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精選版 日本国語大辞典 「代り」の意味・読み・例文・類語

かわりかはり【代・替・変・渝】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「かわる(代)」の連用形の名詞化 )
  2. [ 一 ] ( 代・替 )
    1. ① あるものが退いて、その位置や立場を他のものが占めること。交替。また、その占めたもの。
      1. [初出の実例]「入道の少将ぎみの御かはりに、少将になり給ひて」(出典:多武峰少将物語(10C中))
      2. 「斎院は御服にておりゐ給にしかば、あさがほの姫君はかはりにゐ給にき」(出典:源氏物語(1001‐14頃)賢木)
    2. ② あるものが、他のもののすべき役割をつとめること。代理。
      1. [初出の実例]「今は御かはりに翁こそ病まめ」(出典:落窪物語(10C後)二)
      2. 「かの人の御かはりに明け暮れの慰めにも見ばやと思ふ心深うつきぬ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若紫)
    3. ③ ある物事に相当する他の物事。ひきかえ。代償。
      1. (イ) 事柄の場合。多く連体修飾語が付いて、「かわりに」の形をとる。現代語では接続助詞に近い用法もある。
        1. [初出の実例]「わが養ひの可波利(カハリ)には、おほまします南の町なる奴を受けよと」(出典:正倉院文書‐万葉仮名文(奈良))
        2. 「母君のかひなくて行くへをだに知らぬかはりに、人なみなみに見奉らむとこそ思ふに」(出典:源氏物語(1001‐14頃)玉鬘)
      2. (ロ) 品物の場合。かけがえ、または、ひきかえの品。
        1. [初出の実例]「鏡の箱のかはり、このあこ君といふ童しておこせたり」(出典:落窪物語(10C後)一)
        2. 「この柑子(かうじ)のかはりの物は、賜(た)ばんずるぞ」(出典:古本説話集(1130頃か)五八)
      3. (ハ) 金銭の場合。品物の代金。また、ある事をした報酬。
        1. [初出の実例]「只今かはりなかりければ、其草かしおけ。かはりは後にとれ」(出典:古今著聞集(1254)五)
        2. 「われわれはかはりのなければ、買ひて持つべき様なし」(出典:義経記(室町中か)三)
    4. ④ 飲食する際に、飯、汁、おかずなど盛られた分を食べ終えた後で、さらに同じ物をもう一度食べること。また、その飯、汁など。おかわり。
      1. [初出の実例]「牛なべのかはりは生(なま)のから皿が二枚ばかり出て」(出典:西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉六)
    5. ⑤ 「かわりきょうげん(替狂言)」の略。
  3. [ 二 ] ( 変・渝 )
    1. ① 物事の状態や質が、前と別の物になること。変化、変遷すること。
      1. [初出の実例]「世界万国の沿革(カハリ)をおはなし申まするが」(出典:西洋道中膝栗毛(1874‐76)〈総生寛〉一二)
    2. ② ふだんと違う状態や出来事。異変。異状。
      1. [初出の実例]「いふ事にさしたる変りも無いが、それをいふ調子に何処か今までに無いところが有って」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉三)
    3. ③ 物事と物事との間の違い。差異。
      1. [初出の実例]「此章は、知者と仁者とのかはりを云」(出典:応永本論語抄(1420)雍也第六)
      2. 「宅抱唄女(うちげいしゃ)だからといって、見板の唄女(げいしゃ)だからといって、別に人間に変りがあるものかネヱ」(出典:人情本・春色梅美婦禰(1841‐42頃)二)
    4. ④ 普通の織物と織り方を違えたもの。変り織り。
      1. [初出の実例]「綾羅紗の変(カハリ)で好いのを見たから」(出典:多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉前)

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