八槻郷(読み)やつきごう

日本歴史地名大系 「八槻郷」の解説

八槻郷
やつきごう

和名抄」にみえない古代の郷名。陸奥国風土記逸文(大善院旧記)に八槻郷の項がある。内容は日本武尊にまつわる地名起源説話を弓矢で説明したもので、冒頭に矢の着いた所を矢着やつき(神亀三年八槻と改む)とする。また古老の伝えとして、八本の槻の矢が八人の土蜘蛛(在地首長)を射貫いて芽を出したので、八槻の郷というと重記している。八人の土蜘蛛は、日本武尊によって征伐されたが、神衣媛と神石萓の二人の子孫は許され、八槻郷の中に住んでいる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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