八葉車(読み)はちようのくるま

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「八葉車」の意味・わかりやすい解説

八葉車
はちようのくるま

牛車 (ぎっしゃ) の一つで,八葉の紋を箱に描いた網代 (あじろ) 車。乗る人の地位の高下により,紋の大きい大八葉車と,小さい小八葉車と区別して使用された。大八葉は上皇,大臣以下公卿などが用い,小八葉は弁官少納言検非違使 (けびいし) などが用いた。

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世界大百科事典(旧版)内の八葉車の言及

【牛車】より

…牛車の中で最上格は唐庇車(からびさしのくるま)で,太上天皇,皇后,東宮,准后,親王,摂政,関白等が晴のときに用い,以下雨眉車(あままゆのくるま),檳榔毛車(びろうげのくるま),半蔀車(はじとみのくるま),網代庇車(あじろびさしのくるま),網代車等が続く。車箱に八葉の文をかいた八葉車は大臣から四,五位の者まで広く用いられ,色糸で車箱を飾る糸毛車(いとげのくるま)は女性がよく用いた。室町時代以降,牛車はしだいに用いられなくなった。…

※「八葉車」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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