八重咲き(読み)ヤエザキ

  • やえざき〔やへ〕

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

花弁または花弁のようにみえるものの数は植物の種類によってほぼ一定しているが、それらの数が正常なものに比べて多くなっている奇形を八重咲きといい、とくに園芸植物において、その例が豊富である。正常の2倍程度のときを半八重、著しく多いときを八重とよぶこともある。また、萼(がく)が花冠と同形同色となった場合には花冠が二重になったようになるため、二重(ふたえ)咲きともいい、ツツジ類、キキョウなどにみられる。

 八重咲きの多くは雄しべの弁化によるものであり、弁化した雄しべは、縁(へり)や先端などに葯(やく)をつけて雄しべの名残(なごり)をとどめていることも多い。八重咲きの花には、雄しべだけでなく雌しべも弁化するなどして、本来の花の機能を失って不稔(ふねん)性となるものも多い。キク科のヒマワリなどでは、周辺に舌状花が並び、中央部一帯を筒状花が占めるような頭状花序が正常であるが、筒状花の多く、または全部が舌状花の形となる場合がある。これが八重咲きである。ドクダミでは、花序の下位の四枚の包(包葉)だけが大形で白い花弁状となるのが正常であるが、多数の包が花弁状となるものがあり、これをヤエドクダミとよぶ。

[福田泰二]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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