大学事典 「公財政支出」の解説
公財政支出
こうざいせいししゅつ
経済協力開発機構編著『図表でみる教育―OECDインディケータ』(2016年版)によれば,教育への支出は国や地方公共団体等による公財政支出,個人・企業等による私費負担(教育支出),私費負担のうち公財政からの補助部分の三つに分類される。公財政支出には,教育サービスに対する公財政支出,大学での研究・開発に対する公財政支出,給食や学生寮などの補助的サービスに対する公財政支出がある。私費負担には授業料・補助的サービス利用料・書籍費・学生生活費等への家計支出や,大学での研究・開発に対する民間企業からの資金が含まれる。私費負担のうち公財政からの補助部分とは,家計支出の一部を公財政が負担するものである。教育支出のうち,高等教育への支出が国内総生産(GDP)に占める割合は,2013年のデータではOECD各国平1.6%,日本1.6%であり,日本はOECD諸国の中では平的である。しかし,これを高等教育への公財政支出に絞ってみるとOECD各国平1.1%に対して日本は0.6%であり,他国と比較して低い数字となっている。日本の高等教育支出は私費負担に大きく依存していることが特徴であると言えよう。
著者: 吉田香奈
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報