共用林野(読み)きょうようりんや

日本大百科全書(ニッポニカ) 「共用林野」の意味・わかりやすい解説

共用林野
きょうようりんや

国有林所在地の地域住民と国が契約を結ぶことによって、地域住民が林野産物を自家用に採取、または牛馬を放牧することのできる国有林野をいう。2011年(平成23)の時点で、次の3種類の共用林野が存在し、契約件数は1149件、合計面積は約131万ヘクタール、共用者数は約46万人である。共用林野面積の67%は東北地方にある。

(1)普通共用林野 枯れ木、木の実、草、キノコなどを採取できる林野。無料。約128万ヘクタール。

(2)薪炭共用林野 自家用薪炭材を採取できる林野。低料金。約3万ヘクタール。近年需要が減り、面積が減少している。

(3)放牧共用林野 牛馬を放牧できる林野。低料金。約7000ヘクタール。

 第二次世界大戦前には、国は共用林野契約を結ぶことにより、地元住民に一定の利益を与え、その見返りとして国有林野の保護や植林労働などへの「出役(しゅつえき)」を求めてきたが、現在はそのような制約はない。

飯田 繁・佐藤宣子]

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