兵政官(読み)つわものつかさ

精選版 日本国語大辞典 「兵政官」の意味・読み・例文・類語

つわもの‐つかさ つはもの‥【兵政官】

〘名〙
① 令制前の官司。天武・持統朝に存在した。のちの律令制兵部省に該当し、軍事一般をつかさどった。兵政官の長(かみ)大輔(たいふ)があったことが知られている。つわもののつかさ。
書紀(720)朱鳥元年九月(北野本訓)「兵政官(ツハモノツカサ)の事を誄る」
② 令制前の武官総称
※書紀(720)天武七年一〇月(北野本訓)「凡そ内外の文武官(ふむつかさツハモノツカサ)

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世界大百科事典(旧版)内の兵政官の言及

【兵部省】より

…成立は大宝令期と考えられるが,それ以前については詳細は不明。《日本書紀》天武4年(675)にみえる兵政官長,大輔をその前身とみる考えがあるが,不詳。兵政官長が長官を意味する用語であれば,当時,他の八省長官が尚書などの用語をもちいていることとの違い,さらには兵政官は太政官の支配下にあって八省に位置づけられるものなのか,など不明の論点が多い。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」