其日暮(読み)そのひぐらし

精選版 日本国語大辞典 「其日暮」の意味・読み・例文・類語

そのひ‐ぐらし【其日暮】

  1. 〘 名詞 〙
  2. その日の収入で、その日をやっと暮らすこと。生活にすこしのゆとりもないこと。また、そのような生活。その日稼ぎ。その日送り。その日過ぎ。
    1. [初出の実例]「其日くらしの新米の市〈直成〉 はやつくりくめは月こそ桶に有〈宗恭〉」(出典:俳諧・天満千句(1676)五)
  3. なんとなくその日を送ること。その日一日を平穏に暮らすことだけを考えて日を送ること。無為に毎日をすごすこと。また、そのような生活。その日送り。
    1. [初出の実例]「丑松の今の心地は、今日あって明日を知らない其日暮しの人々と異なるところが無かったからで」(出典:破戒(1906)〈島崎藤村〉二〇)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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