内科学 第10版 の解説
内分泌疾患に伴う特定心筋症(その他の心筋症)
甲状腺機能亢進症では甲状腺ホルモンの心臓への直接作用や交感神経を介した作用により,心拍数増加,心筋酸素消費の増加が起き,高心拍出性心不全をきたす.心房細動や僧帽弁逸脱による僧帽弁閉鎖不全を高率に合併する.病期が進むと拡張型心筋症様の心機能不全をきたす.甲状腺機能低下症では心筋の間質浮腫,ムコイド変性のため,左室肥大,左室拡大を呈する.徐脈,低血圧,心膜液貯留などがみられ,冠動脈疾患を合併しやすい.先端巨大症,褐色細胞腫も壁厚増大と心室拡張を示す.[磯部光章]
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報