低血圧(読み)テイケツアツ(その他表記)Hypotension

精選版 日本国語大辞典 「低血圧」の意味・読み・例文・類語

てい‐けつあつ【低血圧】

  1. 〘 名詞 〙 一般に成人で最大血圧が一〇〇ミリ水銀柱に達しないものをいう。医学的には血圧が低くて、動脈血が十分に臓器に循環しにくい状態をいう。原因としては心臓の駆出力の低下、循環血液量の低下および末梢血管の抵抗の減退の三種がある。
    1. [初出の実例]「青い顔をして寝ていました、低血圧もあるんですって」(出典:解体の日暮れ(1966)〈杉浦明平〉二)

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家庭医学館 「低血圧」の解説

ていけつあつしょう【低血圧(症) Hypotension】

◎大きく3つに分けられる
[どんな病気か]
 いつ測っても、血圧が基準値(図「日本高血圧学会の定義」)よりも低い状態が低血圧ですが、どの数値以下を低血圧というかは、まだ、はっきりとした定義がありません。
 日本では、最高血圧が100mmHg以下、最低血圧が60mmHg以下のどちらかか、両方を示した場合に低血圧という医師が多いようです。
●低血圧の種類
 低血圧は、いろいろに分類されていますが、低血圧をおこす病気が存在しないのにおこる本態性低血圧(ほんたいせいていけつあつ)、病気が存在し、その症状の1つとしておこる症候性低血圧(しょうこうせいていけつあつ)、立った姿勢のときにおこる起立性低血圧(きりつせいていけつあつ)の3つに分けるのがわかりやすいでしょう。
本態性低血圧(ほんたいせいていけつあつ)(低血圧(ていけつあつ))
【英】Essential Hypotension
 血圧を低くする病気が存在しないのにおこっている低血圧で、単に低血圧といった場合は、この本態性低血圧をさすのがふつうです。
 低血圧になりやすい遺伝的な体質のためにおこると考えられていて、体質性低血圧(たいしつせいていけつあつ)と呼ぶこともあります。
●症状
 頭痛・頭重(ずじゅう)・めまい・立ちくらみ・肩こり・不眠・集中力の低下などの脳神経症状、動悸(どうき)・息切れ・脈が速い・不整脈などの心臓の症状、食欲不振・胃のもたれ・下痢(げり)・便秘・胸やけなどの胃腸症状など、訴える症状は人によってさまざまです。
 症状が1つだけの人もいれば、いくつかの症状を同時に訴える人もいます。また、まったく症状のない人も少なくありません。
●治療
 症状がなければ、治療の必要はありません。低血圧の人は、無病息災で長生きする人が多いのです。
 症状があって、ふだんの生活に苦痛を感じる人は、まず、生活のしかたをチェックし、つぎのような注意を守るように心がけてみましょう。
①規則正しい生活を心がける
 人間のからだは、一定のリズムで活動しています。このリズムを無視した生活をすると、症状を感じやすくなります。
 食事、起床、就寝などは、毎日、決まった時間にするようにしましょう。
 過労、寝不足も避けましょう。
②食事は、栄養豊富なものを
 食事は、たんぱく質の多い食品とビタミンミネラルの豊富に含む野菜、果物を多めにとるようにします。
 食事の回数は、1日3回が基本ですが、胃腸症状が出て一度にたくさん食べられない人は、量を減らして食事の回数を4回にするといいでしょう。
 1日2回の食事、とくに朝食を抜くのは、よくありません。
 胃腸症状に悩まされる人は、食後、30分くらい、右を下にした姿勢で横になると症状がおこりにくくなります。
③運動を心がける
 運動をすると、血液のめぐりがよくなり、気分転換にもなって症状を感じにくくなります。
 ときどき、できれば毎日、運動をするようにしましょう。運動は、自分に合うものであれば何でもいいのですが、気分転換という意味では、楽しい仲間とできるものがいいでしょう。
薬物療法
 どうしても症状に悩まされる人は、内科の医師に相談しましょう。
 抗不安薬マイナートランキライザー)や血圧上昇薬の服用で、症状がやわらぐこともあります。また、漢方薬が効果のある人もいます。
症候性低血圧(しょうこうせいていけつあつ)
【英】Symptomatic Hypotension
 病気があって、その症状としておこっている低血圧で、原因となる病気には、つぎのようなものがあります。
 心血管(しんけっかん)の病気 心筋梗塞(しんきんこうそく)、心(しん)タンポナーデ、肥大型閉塞性心筋症(ひだいがたへいそくせいしんきんしょう)、不整脈(ふせいみゃく)、大動脈狹窄症(だいどうみゃくきょうさくしょう)など。
 肺の病気 肺塞栓(はいそくせん)、肺性心(はいせいしん)など。
 ホルモンの病気 甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)、アジソン病など。
 薬剤の使用 降圧薬、抗不整脈薬、抗アレルギー薬など。
 その他 がんなどの病気にともなう低栄養状態、寝たきり状態など。
●治療
 原因となる病気を治療し、治れば血圧も正常にもどります。
 しかし、低血圧が残り、血圧上昇薬の服用が必要になることもあります。
起立性低血圧(きりつせいていけつあつ)
【英】Orthostatic Hypotension
 急に立ち上がったり、長時間、立ち続けていたりしたときに、最高血圧が20mmHg以上、最低血圧が10mmHg以上低下する状態を起立性低血圧といいます。
 立っていると、地球の重力の作用で、血液は下半身のほうへ引っ張られ、上半身を流れる血液は減少するはずですが、自律神経が下半身の血管を収縮させ、上半身に十分な量の血液が流れるように調節しています。
 この調節機構に障害が生じると、めまい、立ちくらみがおこります。
 進行した動脈硬化(どうみゃくこうか)をもつお年寄りに起立性低血圧がおこると、それをきっかけとして、脳梗塞(のうこうそく)、一過性虚血性発作(いっかせいきょけつせいほっさ)、狭心症(きょうしんしょう)、心筋梗塞(しんきんこうそく)、不整脈(ふせいみゃく)などを誘発することもあります。
●原因
 糖尿病による自律神経障害、シャイ・ドレーガー症候群(しょうこうぐん)が起立性低血圧をおこす代表的な病気ですが、そのほか、脊髄癆(せきずいろう)、パーキンソン症候群(しょうこうぐん)、大動脈弁狭窄症(だいどうみゃくべんきょうさくしょう)、僧帽弁狭窄症(そうぼうべんきょうさくしょう)、アジソン病、副腎機能不全(ふくじんきのうふぜん)などの病気が原因になります。また、降圧薬や精神安定剤の服用でおこることがあります。
 このように、原因のはっきりしているものを症候性起立性低血圧(しょうこうせいきりつせいていけつあつ)、いくら調べても原因の見つからないものを特発性起立性低血圧(とくはつせいきりつせいていけつあつ)といいます。
●治療
 症候性起立性低血圧は、病気を治療するなど、原因を取り除けばおこらなくなります。
 特発性起立性低血圧は、急に立ち上がったり、長時間、立ち続けたりしないようにします。
 症状がおこったら、からだを横にして寝ていれば、たいていは数分で血圧が正常にもどり、症状も治まります。

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食の医学館 「低血圧」の解説

ていけつあつ【低血圧】

《どんな病気か?》


〈不快な症状がみられる、女性に多い本態性低血圧〉
 低血圧とは、収縮期血圧(最大血圧)が100mmHg以下、または最低血圧が60mmHg以下の場合をいいます。
 しかし、同じ低血圧でも原因によって分類され、心疾患や肺疾患、内分泌異常(ないぶんぴついじょう)など、原因疾患が明らかな場合を二次性低血圧といいます。
 女性に多くみられるのは本態性低血圧(ほんたいせいていけつあつ)で、二次性低血圧のように原因となる疾患はなく、体質的または遺伝的な素因によって起こるものです。
 その場合には、朝起きられない、集中できない、やる気が起きないなどの感情の不安定のほか、倦怠感(けんたいかん)やめまい、耳鳴り、頭重(ずじゅう)、冷え、食欲不振など、不快な症状をともなうこともあります。
 また、本態性低血圧は一般に、病院での治療の必要はないと診断されます。
 それよりもむしろ、日常生活において、規則正しい生活や適度な運動と休養を心がけ、バランスのとれた食事をすることで、改善させることもできます。

《関連する食品》


〈たんぱく質、鉄分、ビタミンAで体力を養い、活力もアップ!〉
○栄養成分としての働きから
 食生活で気をつけたいことは、十分な量の各栄養素を積極的に摂取するということです。
 また、各種栄養素を含む食べものを多くとるということもたいせつです。
 なかでもたんぱく質を多く含む食べものは滋養が豊かで、体力を養うには欠かせません。
 とくに納豆は高たんぱく食品の代表格で、ほかのダイズ類よりも消化がいいため、少しずつとりたい食品です。
 同様に、ホタテの貝柱やたまごのように消化されやすく口あたりのやわらかいものや、DHA(ドコサヘキサエン酸)の多く含んでいるブリなどの青背の魚も積極的にとりたい食品です。これらは、血行をよくし、体力や気力を回復させるのにも効果的です。
 エネルギー補給とビタミン・ミネラル補給に役立つのが、アーモンドや落花生、クルミ、カボチャの種などのナッツ類です。ただし、カボチャの種は1日約10~11個にとどめましょう。
 これらの食品には、カルシウムやマグネシウム、鉄などのミネラルが豊富に含まれているだけでなく、たんぱく質やビタミンなどもたくさん含まれています。
 また疲れやすくて体力がないという低血圧の人は、消化吸収されやすいヨーグルトなどの乳製品もおすすめです。
 低血圧による冷えなどの対策としては、体をあたためることもたいせつです。
 その点では、ビタミンEを多く含み、栄養価も高く、消化されやすいでんぷん質も含んだカボチャなどが最適です。
 ほかに、ニンニクやネギも体をあたためる効果があります。また、ニンニクに含まれるスコルジンは、疲労回復、滋養強壮にも効果を発揮します。
〈クワ、ナツメは予防に、クコは改善に働く〉
○漢方的な働きから
 クワの実やナツメ、クコを漬け込んだ酒は低血圧に効果があるといわれています。
 とくに、クワの実とナツメは予防に、クコは改善に効果的なので、使い分けるといいでしょう。
 これらは低血圧だけでなく、滋養強壮効果もありますので、低血圧の予防改善だけでなく、低血圧にともなって起こる不快な症状の改善にも役立ちます。
 同様に、煎じて飲むと効果があるのがゲンノショウコです。ゲンノショウコはもともとは整腸作用があるものとして知られていますが、体をあたためる働きもあるために、胃腸虚弱タイプの低血圧にも効果があります。
 貧血をともなった低血圧である場合には、キンシンサイがおすすめです。キンシンサイはニッコウキスゲやホンカンゾウという植物の花蕾を乾燥させたものです。キンシンサイには、ホウレンソウの20倍もの鉄分を含みます。
 野菜や肉類と煮込んだりスープにして食べます。
 このほか、人参(にんじん)、地黄(じおう)、当帰(とうき)、茯苓(ぶくりょう)、甘草(かんぞう)、白朮(びゃくじゅつ)、川芎(せんきゅう)も低血圧に効果のある生薬として漢方では用いられています。
○注意すべきこと
 野菜ならキャベツやキュウリ、トマト、ダイコンなど、くだものならナシや柿、スイカなどは避けたい食品です。
 またビタミンを多く含む緑黄色野菜も、なるべく火を通して食べるようにしましょう。

ていけつあつ【低血圧】

《どんな病気か?》


 一般的に、最高血圧が100mmHg以下の場合を低血圧と呼んでいます。朝起きるのがつらい、根気がない、すぐ疲れる、肩こり、食欲不振など、訴える症状は人さまざまです。
 とくに血圧を下げる病気がない場合は、体質的なものです。血圧が低いほうが血管のいたみも少ないし、無理もきかず、具合が悪くてもがんばり病気をこじらせることもないと、プラスにとらえる人もいます。

《関連する食品》


〈レバーや赤身の魚の鉄分は吸収がよい〉
○栄養成分としての働きから
 症状を緩和する食事のポイントは、たんぱく質の多い食品とビタミン、ミネラルの豊富な野菜、くだものを多めにとることです。低血圧で貧血症の人は、赤血球(せっけっきゅう)の構成成分をつくる鉄は欠かせません。レバーや、マグロなど赤身の魚のヘム鉄はとくに吸収がよいのでおすすめです。
 朝食抜きはもってのほかで、たんぱく質、鉄ともに多く含むたまごや納豆を食べるようにしましょう。また、鉄の吸収率を上げる作用のあるビタミンCをあわせてとると効果的です。イチゴ、オレンジなどの柑橘類(かんきつるい)、キウイなど、ビタミンCを多く含むくだものやジュースを毎朝のメニューに加えるといいでしょう。
 また、血管の収縮作用がある食品として、ホウレンソウ、サンショウ、ゴマなどがあげられています。
○漢方的な働きから
 夏摘みのヨモギを干したものを、1日20g煎(せん)じて、お茶がわりに飲みます。中国野菜であるキンシンサイを、油炒めや汁ものでとりましょう。

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改訂新版 世界大百科事典 「低血圧」の意味・わかりやすい解説

低血圧 (ていけつあつ)
hypotension

正常血圧より低い血圧の状態で,最大血圧が100~110mmHg以下の場合をいう。

低血圧は,本態性低血圧,症候性低血圧,起立性低血圧に分類される。(1)本態性低血圧は原因不明のもので,一般にいわれている低血圧の代表であるが,体質性と考えられ,神経質で自律神経失調をみとめる人に多い。(2)症候性低血圧は,他の病気が原因で血圧が低下した場合にみられ,このなかには急激に低血圧になるもの(出血やショックなど)と,慢性的に血圧が低下するもの(癌や白血病,アディソン病など)が知られている。(3)起立性低血圧は体位性低血圧とも呼ばれ,体位変換の際に血圧を調節する自律神経の働きが障害されて起こる低血圧で,起立時に血圧の低下が現れるのが特徴である。そこで起立時に最大血圧が20mmHg以上下降するものを起立性低血圧としている。起立性低血圧には,原因の明らかな症候性のものと原因不明の特発性のものとがあり,症候性の原因となる病気としてパーキンソン病,脳血管障害,糖尿病などが知られている。

血圧の低下は心臓収縮力の減退,心拍出量の低下,循環血液量の減少,末梢血管抵抗の減少などが関与する。そのほか,外因として温度,環境,食物,風土なども血圧が低くなる現象と関連があり,内因として遺伝関係もみとめられている。

低血圧に悩む人の訴えはさまざまであるが,めまい,立ちくらみ,疲労感,だるさ,頭痛,肩こり,動悸,目の疲れ,食欲減退などの症状を訴えることが多く,健常者に比べてスタミナがなく,すぐ疲れてぐったりしやすい特徴があり,これらの自覚症状は夏季に増悪しやすく,かつ血圧も夏季に低下しやすい。起立性低血圧では,ひどい場合には気分が悪くて立っていると倒れそうになり(失神傾向),また疲労や倦怠が現れやすく,そのような状態が続くと仕事の能率が低下したり,思考力が鈍ったりすることがある。

血圧が正常より低くても,一般に症状の訴えのないものは治療の対象にならない。症候性のものについては原病に応じた療法を行う。本態性低血圧では,栄養面の管理として偏食を避け,かつ食事は規則的に摂取し,カロリー不足にならないように留意し,栄養素のバランスもくずれないように配慮するとよい。三大栄養素とともにビタミンやミネラルも十分に摂取する。さらに適度の運動で体を鍛えることは,栄養をつけることと関連して重要で,とくに皮膚のマッサージ,乾布摩擦により皮膚を鍛えるとよい。また心身のリラックスを図るくふうも必要である。起立性低血圧に対しては薬物として昇圧剤を使用する治療が適し,本態性低血圧では自律神経調整剤や精神安定剤が症状の軽減に役立つことが少なくない。なお低血圧は症状が貧血のそれと似ているが,貧血はまったく別の病気である。
血圧
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内科学 第10版 「低血圧」の解説

低血圧(血圧の異常)

定義・概念
 低血圧とは,収縮期血圧100 mmHg以下の場合を指し,拡張期血圧は通常問題にされない.高血圧には国際的な基準が存在するが,低血圧には明確な基準がないのが実状である.欧米の医学論文でも以下に述べる起立性低血圧,食事性低血圧などに関するものが中心となっており,症状のないいわゆる体質性低血圧は問題にされないことが多い. 低血圧の出現頻度は全年齢層では1.5~7%,性別では男性で0.5%前後,女性で2%前後とされており,愁訴や症状のみられる症例は約10%程度とされている.
分類
 病因,発症および経過,症状の有無などにより表6-4-1のように分類される.病因による分類では,本態性低血圧と症候性(二次性)低血圧,経過による分類では急性,慢性および一過性低血圧に分類される.単に血圧が低い状態は体質性低血圧として区別され,病的意義は乏しい.
 急性低血圧は通常ショックを意味する.慢性に低血圧をきたす疾患としては大動脈弁狭窄,不整脈,収縮性心膜炎などの心疾患,Addison病,下垂体前葉機能低下症,甲状腺機能低下症などの内分泌疾患,Shy-Drager症候群,Parkinson病,糖尿病性神経症などの神経疾患,血液透析中など循環血漿量の低下する病態や薬剤性などがあげられる.
 一過性の低血圧としては起立性低血圧と食事性低血圧が代表的であり,特に高齢者においてその頻度が高い. 低血圧と高血圧は相互に関連しあう場合もある.すなわち,神経原性起立性低血圧における反跳性高血圧や夜間臥位高血圧,高血圧における起立性低血圧,高血圧治療における低血圧の出現などがその例である. 起立性低血圧とは臥位または坐位から起立時3分以内に収縮期血圧で20 mmHg,拡張期血圧で10 mmHg以上低下する場合と定義される.tilt-tableを用いた受動的な起立試験(head up tilt test)を診断に用いる場合もある.起立性低血圧は年齢とともに増加し,65歳以上では約20%,75歳以上では約30%に認められるといわれている.[佐藤伸之・長谷部直幸]
■文献
稲葉宗通,野口雄一,他:低血圧.日本臨牀,循環器症候群Ⅰ,pp120-123, 2007.
中村由紀夫,大倉誓一郎,他:起立性低血圧.日本臨牀,循環器症候群Ⅰ,pp124-127, 2007.
高橋 昭監修,長谷川康博,古池保雄編:食事性低血圧,南山堂,東京,2004.

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百科事典マイペディア 「低血圧」の意味・わかりやすい解説

低血圧【ていけつあつ】

最高血圧(収縮期血圧)100mmHg,最低血圧(拡張期血圧)60mmHg以下の座位上腕動脈圧を示す状態。体質的な本態性低血圧と,アディソン病粘液水腫,シモンズ病や心臓病悪性腫瘍(しゅよう)などのために二次性に起こる続発性低血圧とがある。疲れやすい,頭が重い,肩がこる,立ちくらみ,動悸などの訴えが多い。→高血圧
→関連項目血圧

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世界大百科事典(旧版)内の低血圧の言及

【血圧】より

…血圧は一般に上腕で測定するが,血圧は場所によっても違い,下肢の血圧は上肢のそれよりも20~30mmHg高いのが普通である。
[高血圧と低血圧]
 血圧は一般に精神的緊張によって上昇し,外来ではじめて医者に測ってもらうときの血圧は,2回以後に測ってもらう血圧よりも高く,病院で測った血圧よりも家庭で測った血圧のほうが低いのが普通である。正常人でも,一過性の血圧上昇はしばしばみられるので,高血圧と診断するには,1回だけの血圧測定によるのではなく,くり返し血圧を測定し,高い血圧がある程度持続することを確認することが必要である。…

【血管運動中枢】より

…脳幹の橋の下部から延髄上部に分布する延髄網様体に存在し,全身の血管を支配している収縮性交感神経へインパルス信号を送り,常時血管の緊張性や収縮性を制御している。したがって,この中枢が破壊されると,大部分の収縮性交感神経の活動が消失し,血管の緊張性の低下と拡張により低血圧が発生する。中枢の内部構造はよく解明されていないが,電気刺激の効果から機能的に昇圧と減圧の二つの領域に大別される。…

※「低血圧」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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