徐脈(読み)ジョミャク(その他表記)bradycardia

翻訳|bradycardia

関連語 名詞 脈拍

精選版 日本国語大辞典 「徐脈」の意味・読み・例文・類語

じょ‐みゃく【徐脈】

  1. 〘 名詞 〙 心臓の拍動のゆるやかなもの。ふつう一分間の脈拍数が六〇以下の場合をいう。心筋炎・冠動脈硬化・高血圧黄疸など、病的な場合に多くみられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「徐脈」の意味・わかりやすい解説

徐脈
じょみゃく
bradycardia

脈拍数が1分間に60以下のものをいう。迷走神経副交感神経)の緊張による洞性徐脈は、スポーツ心臓や高齢者などにみられる。心臓のペースメーカーとして働く洞結節部の機能低下や、洞房ブロック(洞結節と心房間の刺激伝導障害)によっても、毎分40~60のいわゆる房室結節調律をきたす。また完全房室ブロック(心房と心室間の完全刺激伝導障害)のときには、毎分30前後の脈拍数を示す。触診でまず徐脈の診断がついたら、心電図によって徐脈の原因や種類を調べる必要がある。病的な原因によらないものは放置してよいが、洞房ブロックや完全房室ブロックによるものなどでは、人工ペースメーカーの装着が必要となるものが多い。ほかに、高血圧症などの治療に用いられる交感神経受容体ブロッカーなどの薬剤によるものがある。この場合、服用薬剤を検討し変更しなければならない。

[木村和文]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「徐脈」の意味・わかりやすい解説

徐脈
じょみゃく
bradycardia

心臓の拍動数が異常に減少する状態で,普通は脈拍数が1分間 60以下になる。病的なものとはかぎらないが,循環器系症状として現れることもある。

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世界大百科事典(旧版)内の徐脈の言及

【脈拍∥脈搏】より

…頻脈はこのような生理的原因以外では,心臓の刺激伝導系の障害による不整脈によっても起こり,150~200を超えることも珍しくない。一方,脈拍が少なくなり,成人で毎分50以下になるものを徐脈という。正常な場合でも,睡眠中には50以下になることがあるが,30以下になると,種々の障害を生じる。…

※「徐脈」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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