内圏機構(読み)ナイケンキコウ

化学辞典 第2版 「内圏機構」の解説

内圏機構
ナイケンキコウ
inner-sphere mechanism

2種類の金属錯体間で酸化還元反応が行われるとき,反応中間体として,ある配位子を共有した架橋金属錯体を生じ,この架橋錯体内の金属間で行われる酸化還元反応機構をいう.全反応は3段階からなる.まず,より置換活性な金属錯体が,配位子を1個放出して,より置換不活性な金属錯体に架橋配位して架橋錯体をつくる.続いて,架橋原子を介して金属間で電子授受が行われ,その結果,あらたに置換活性になった金属は架橋配位子から離脱する.その一方で,置換不活性になった金属は架橋配位子を取り込んだあらたな錯体を形成する.この反応機構は,放射性同位体を使った実験から明らかにされた.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android