放射性同位体(読み)ホウシャセイドウイタイ

世界大百科事典 第2版の解説

ほうしゃせいどういたい【放射性同位体 radioisotope】

ラジオアイソトープ(略称RI),放射性同位元素ともいう。原子番号が同じで質量数の異なる元素を同位体(同位元素)という。原子核陽子中性子からなり,陽子の数が原子番号を,陽子と中性子の数の和が質量数を表すので,同位体の間では原子核を構成する中性子の数のみが異なり,化学的性質は同じである。同位体が存在するため,原子核の性質を原子番号と質量数によって規定する必要があり,この両者によって規定される原子核を核種といい,質量数を左肩に付して60Coや90Srのように表す。

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精選版 日本国語大辞典の解説

ほうしゃせい‐どういたい ハウシャドウヰタイ【放射性同位体】

〘名〙 放射能をもつ同位体。天然に存在するものと、原子核反応によって人工的に作られるものがある。放射性同位元素。ラジオアイソトープ。

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化学辞典 第2版の解説

放射性同位体
ホウシャセイドウイタイ
radioisotope, radioactive isotope

略称RI.ラジオアイソトープともいう.同位体のうちで放射性崩壊をするもの.すべての元素について放射性同位体が人工的につくられており,安定同位体と化学的性質が同じであることを利用して,理学,工学,農学の各分野でトレーサー(追跡子)として利用されている.また,放射能を利用して,医療,診断にも使われる.放射線の工業的利用および放射線化学の研究には,大量の放射性同位体(ことにコバルト60)が放射線源として用いられている.Tc,Pm,そのほか,多くのアクチノイド元素のように,天然に安定同位体が存在しない元素は,放射性同位体が発見されてはじめてその元素の性質が明らかになった.

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世界大百科事典内の放射性同位体の言及

【核医学】より

放射性同位体(ラジオアイソトープ,RIと略称)を用いて,病気の診断,治療,および疾病の研究を行う医学の一分野。RIの取扱いについて日本では,諸外国に比べ厳しい法的規制がなされているが,1970年代以降のコンピューター技術,放射線計測技術の急速な進歩に伴い核医学の分野も飛躍的な発展を遂げている。…

【同位体】より

… 同位体は1906年アメリカのボルトウッドB.B.Boltwoodによって,当時イオニウムIoと呼ばれていたウラン系列に属する放射性元素がトリウム232Thと同じ化学的性質を示すことからその同位体230Thであることを発見されたのが初めである。同位体のうち不安定で放射能をもち,崩壊するものを放射性同位体,安定で崩壊しないものを安定同位体あるいは非放射性同位体といっている。放射性同位体には,天然に存在する天然放射性同位体と人工的につくられた人工放射性同位体がある。…

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