出戻(読み)でもどり

精選版 日本国語大辞典 「出戻」の意味・読み・例文・類語

で‐もどり【出戻】

〘名〙
① 一たん家を出て途中から戻ること。
※俳諧・箱館紀行(1810)「三日四日と出もどりして六日とどまるに」
② 嫁(とつ)いだ後に離縁されたり夫に死別したりして実家に帰っていること。また、その女。出戻りおんな。出帰り。
※浮世草子・万の文反古(1696)二「順礼宿の娘、男に死別れ、てもどりなるが」
③ 一度他の職場に移り、復職すること。また、その人。出帰り。
④ 船がいったん出帆してから、天候その他の理由で元の港へ戻ること。江戸時代の廻船は航洋性に乏しいため、悪天候逆風にあって途中から元の港へ戻る場合が多かった。
大島筆記(1762)「那覇の湊を出、同国運天の津に入る。〈略〉天気悪く毎度出戻りし」

で‐もど・る【出戻】

〘自ラ四〙 嫁(とつ)いだ後離縁されたり夫に死別したりして、生家に戻る。
細君(1889)〈坪内逍遙〉三「伊右衛門の家を出戻って鈴木主水に嫁ぎし女を」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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