日本歴史地名大系 「出流村」の解説 出流村いずるむら 栃木県:栃木市出流村[現在地名]栃木市出流町鍋山(なべやま)村の北東、出流川の上流域に立地する。同川に注ぐ片角(かたすみ)川との合流地に集落があり、片角川を上ると下永野(しもながの)村(現上都賀郡粟野町)に通じる寺坂(てらさか)峠で、出流川を上ると真言宗智山派の古寺満願(まんがん)寺がある。鍾乳洞とともに、幕末の出流山挙兵事件で知られる。なお鍋山村との間に現安蘇(あそ)郡葛生(くずう)町の飛地がある。「庶軒日録」文明一八年(一四八六)九月二八日条に「下野国出観(いつるの)・音大士、瀑水自無(ママ)頂而至地」とあるのは当地のこととみられる。永正七年(一五一〇)六月二〇日の下野国先達注文(米良文書)に「いつる正祐法橋門弟」とある。同八年三月四日の堪順檀那職売券(同文書)では、いつる尊月坊門弟引など一貫五〇〇文の檀那職が等覚坊に売られている。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by