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門前町 もんぜんまち

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

門前町
もんぜんまち

寺院の参道沿いに発達した町。社寺祭礼法会などで設けられた祭礼市が常設化し,それに飲食施設などが加わってできた経済集落である。奈良市伊勢市長野市などが好例。特に神社の場合には鳥居前町といって区別することもある。宗教都市の一つで,寺院,宿泊所,みやげ物店などが並んでいる。

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デジタル大辞泉の解説

もんぜん‐まち【門前町】

中世以降、有力な社寺の門前を中心に発達した町。神社の場合は鳥居前町ともいう。善光寺長野伊勢神宮宇治山田など。もんぜんちょう。

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百科事典マイペディアの解説

門前町【もんぜんまち】

中世以後,社寺の門前に発達した都市。神社の場合は鳥居前(とりいまえ)町とも呼ぶ。社寺の門前は,営業上の安全性,神官・僧侶等の消費者の集住,参詣客の往来等の理由から,市が立ち,商人の店舗や宿屋もでき,早くから都市化した。
→関連項目観音寺外京坂本寺内町都市平野郷府中山田奉行八幡[市]八幡惣町

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世界大百科事典 第2版の解説

もんぜんまち【門前町】

寺社の参詣者を対象として商工業者が店舗を造営し,参詣道路の両側を中心に街村状に形成された集落。神社の場合は鳥居前町ともいう。ほかに,社寺奉仕者や信仰者が門前に集落を形成した寺内(じない)町社家(しやけ)町および御師(おし)町があり,それらを合わせて広義の門前町といえる。伊勢神宮鳥居前の伊勢(宇治山田)市(山田),善光寺の長野市,成田不動の新勝寺門前の千葉県成田市,東照宮の栃木県日光市金刀比羅宮(ことひらぐう)のある香川県の琴平,厳島神社の宮島,出雲大社の鎮座する島根県の大社(杵築(きづき)),高野山門前の和歌山県の高野,近代の宗教都市である天理教本山の天理市などが代表的門前町である。

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大辞林 第三版の解説

もんぜんまち【門前町】

中世末以降、寺院の門前に発達した町。善光寺の長野、成田不動の成田など。広く、鳥居前町を含めていうこともある。

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日本の地名がわかる事典の解説

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

門前町
もんぜんまち

寺社の門前に発達した封建集落(都市)。神社の場合は鳥居前町ということもある。中世初期の寺社は、律令(りつりょう)制の系譜を引く寺田、位田、職田(しきでん)などをもつ荘園(しょうえん)領主であり、その境域内には多くの僧侶(そうりょ)・神官を抱え、僧院や房舎が集まっていた。そしてそれらの消費生活を支えるため、近辺で蔬菜(そさい)その他の食料作物の栽培が行われ、農産加工(油、粕(かす)、飼料、そうめん、麹(こうじ)、菅笠(すげがさ)、簾(すだれ)、菰(こも)など)の手工業的生産も発達しつつあった。また市場も開かれて寺域外との商取引も行われ、「富貴ノ輩(ともがら)多ク止住シ、売買ノ道繁昌(はんじょう)ス」(『峯相記(ほうそうき)』)のようににぎわいつつあった。もともと寺社は神仏を祀(まつ)る神聖な場所で、その前で行われる売買には不正をなさないとする商道の信仰があった。中世領主たちは社寺を信仰し、社寺周辺の治安については、「国質所質(くにしちところしち)之事、喧嘩(けんか)口論之事、押売狼藉(ろうぜき)之事」はすべて禁止され、寺社門前は商取引の安全地区となり、室町末期には「楽市(らくいち)・楽座」として保護されるものもみられた。さらに郷村制の発達にともなって、庶民の寺社参拝が盛んになると、寺社門前には参詣(さんけい)者を目当てとした旅籠(はたご)(宿屋)や商店、手工業者の店が集まるようになった。とくに奈良、宇治山田、天王寺(大坂)には社寺が集中していて有力な門前町とされていた。たとえば中世の奈良では平城京のおもかげは消滅して、東大寺、春日(かすが)大社、興福寺などの大寺社の門前町として発達し、ことに興福寺は僧侶3000といわれて奈良の中核となった。中世中ごろには奈良北隅に北市、猿沢池(さるさわのいけ)の南西に南市、さらに1414年(応永21)には両市の中間に中市(今市)が開かれて、交互に毎日開市した。奈良はこれらを中心にした門前町から商業集落へと変化しつつあった。近世に入って社会が安定し、庶民の巡礼や講参りが盛んになると、門前町は遊楽観光地的性格を強めていった。宇治山田(伊勢(いせ)神宮)、杵築(きづき)(出雲(いずも)大社)、宮島(厳島(いつくしま)神社)、琴平(ことひら)(金刀比羅宮(ことひらぐう))、長野(善光寺)、成田(新勝寺)、高野山(こうやさん)(金剛峯(こんごうぶ)寺)などが知られる。それらには社寺奉仕者が集住する社家(しゃけ)町、御師(おし)町などもみられる。[浅香幸雄]
『浅香幸雄著『中世の集落』(『新地理学講座 第七巻』所収・1953・朝倉書店) ▽平沼淑郎著『近世寺院門前町の研究』(1957・早稲田大学出版部) ▽藤本利治著『門前町』(1970・古今書院)』

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世界大百科事典内の門前町の言及

【寺内町】より

…もちろん本願寺所在地の大坂天満,京六条には寺内町があり,ほかにも寺内町は存続したが,内容は異なっている。【脇田 修】
[形態の変遷]
 社寺の門前に,なお境内の外部へ向かって参詣者を対象にして店舗や旅宿が発達して形成された門前町とは異なり,寺内町とは,基本的には寺院を中核にして僧侶や門徒衆の居所を計画的な方格状街区に配し,その周囲を濠と土塁で囲繞し,防御的配慮の形態が施行されている都市的集落である。 寺内町の時代相と形態を粗笨的に分類すると,3形態に分かれる。…

※「門前町」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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