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鍾乳洞 ショウニュウドウ

百科事典マイペディアの解説

鍾乳洞【しょうにゅうどう】

石灰洞とも。カルスト地形の一つ。石灰岩の割れ目から入った地下水の溶食によってできた洞穴ドリーネによって地表と連絡されることが多く,その底を地下水が川となって流れていることもある。

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世界大百科事典 第2版の解説

しょうにゅうどう【鍾乳洞】

地下水系の発達した石灰岩地域では,地下水の溶食作用によって大小の洞穴が生じる。これらを一般に石灰洞limestone caveというが,多くの場合,洞内は石灰華の堆積によって乳石stalactiteなどが発達しているので,このような洞をとくに鍾乳洞という。しかし,実際には両者をはっきり区別しないことが多い。ふつう,小さい洞は石灰岩の節理や層理あるいは断層に沿って地下水の選択的溶食がはたらき,空隙がひろがったもので,垂直洞(竪穴)や傾斜洞が多く,大きい洞では長い水平洞(横穴)が主洞をなし,これにつながるいくつもの支洞があって,数段に分かれたり,竪穴によって地表に連絡するものもあり,複雑な洞穴形態をもっている。

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大辞林 第三版の解説

しょうにゅうどう【鍾乳洞】

石灰岩中の割れ目または層理面に沿って流れる地下水の溶食作用によってできた地下の洞窟。山口県の秋芳洞などが有名。石灰洞。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

鍾乳洞
しょうにゅうどう

石灰洞」のページをご覧ください。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

鍾乳洞
しょうにゅうどう

石灰洞ともいい、カルスト地形の一種。石灰岩地域の地下に地下水の溶食によってできた洞穴(どうけつ)。石灰岩地域に降った雨は、地表を流れるとともに速やかに浸透し、地下水として流動しつつ地中に迷路状の洞穴をつくる。これは、石灰岩の主成分である炭酸カルシウムが炭酸ガスを含む地下水と次のような可逆反応をおこし、可溶性の重炭酸カルシウムを生ずるからである。
  CaCO3+CO2+H2OCa(HCO3)2
 この反応によって石灰岩が溶け、洞穴ができると、天井からにじみ出てくる重炭酸カルシウムの溶液が洞中に水滴となって落下し、炭酸カルシウムを晶出する。これが長年の間に天井からつらら状に成長して鍾乳石をつくり、一方、水滴の落下する洞床上にはタケノコ状の石筍(せきじゅん)をつくる。鍾乳石と石筍とが接続して石灰柱を形成することもある。洞底を流れる地下水流が、滝や早瀬で多数の皿を重ねたような形の石灰華(せっかいか)段丘(百枚皿)などを形成し、洞穴はしだいに閉塞(へいそく)されていく。
 鍾乳洞は数段に分かれてつくられていることもあり、洞穴内を地下川(ちかせん)が流れていることも多い。迷路状になった地下川の流向や流域内の流量を正しく求めることはきわめて困難であるが、1970年代以降、アイソトープ(同位体)などを用いて、石灰岩地域の地下水系を明らかにしようとする研究も進んできた。洞穴内の水質は流量や水温、天井の厚さとか地表の植生などに支配され、かならずしも一定ではないが、一般的にカルシウム硬度に起因しての総硬度、蒸発残留物、pH(水素イオン濃度)などがきわめて高く、飲料水には適さない。
 世界最大の鍾乳洞は、アメリカのケンタッキー州にあるマンモス・ケーブ国立公園のもので、長さ580キロメートル以上、最大幅150キロメートル、高さ80メートルにも及ぶ。アドリア海に沿ったバルカン半島のディナル高原地帯には20余りの大きな鍾乳洞が分布しているが、スロベニアのポストイナの洞窟(どうくつ)は有名で洞内に軌道が敷かれ、機関車に乗って見物するほどのものである。日本では、岩手県の安家(あっか)洞(長さ23.7キロメートル、日本で最長)、広島県帝釈(たいしゃく)台の白雲洞、山口県秋吉台の秋芳(あきよし)洞、高知県の龍河(りゅうが)洞、大分県の風連(ふうれん)洞などが有名。鍾乳洞は、陸水学、地質学、生物学、考古学などの研究対象として重要で、これらを総合した洞穴学という学問分野がある。鍾乳洞は、まだまだ調査研究を行うべき段階にあると考えられている。[三井嘉都夫]
『河野道弘著『秋吉台の鍾乳洞』(1980・帰水会) ▽山内平三郎著・写真『鍾乳洞の世界』(1985・沖縄出版) ▽桜井進嗣著『未踏の大洞窟へ 秋芳洞探検物語』(1999・海鳥社)』

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世界大百科事典内の鍾乳洞の言及

【カルスト地形】より

… 石灰岩地では,地表に凹地やカレンフェルトの地形が貧弱であっても,その地下には,地下水の溶食作用によって形成された洞穴をもっていることが多い。このようなカルスト地域の洞穴は一般に石灰洞というが,その洞内がしばしば鍾乳石などの石灰華の堆積によって修飾されているので,鍾乳洞とも呼ぶ。石灰洞には横穴型の水平洞と縦穴型の垂直洞の二つの主要な型と,これから派生する複雑な形の傾斜洞があり,これらが連結して,一つの洞穴系を形成している。…

【洞窟】より

…断面が入口のところで最大となるものは,岩陰と呼んで区別している。自然の洞窟のうちで最も数が多いのは,石灰岩の中にできる石灰洞であって,鍾乳石などの二次生成物が多く見られるので,一般に鍾乳洞と呼ばれる。石灰洞は,雨水や河川水や地下水の化学的溶食作用と物理的浸食作用とが働きあい,石灰岩内部の弱い個所を除き去った結果として形成される。…

※「鍾乳洞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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