初声(読み)ハツコエ

デジタル大辞泉 「初声」の意味・読み・例文・類語

はつ‐こえ〔‐こゑ〕【初声】

《「はつごえ」とも》
新年の朝初めて聞く鳥の声。 新年》
各季節に初めて聞く鳥や虫の鳴き声。
「ほととぎすが―はわれにもが五月さつきの玉に交へてかむ」〈・一九三九〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「初声」の意味・読み・例文・類語

はつ‐こえ‥こゑ【初声】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 鳥・虫などの、その季節季節になって、初めて鳴く声。はつね。
    1. [初出の実例]「ほととぎす汝が始音(はつこゑ)は吾れにもが五月の玉にまじへて貫かむ」(出典万葉集(8C後)一〇・一九三九)
  3. 新年になって初めて聞く声、音。《 季語・新年 》
    1. [初出の実例]「春風のをのへの雪を吹くからに音づれそむる松の初声〈源家長〉」(出典:千五百番歌合(1202‐03頃)二九番)
  4. 子どもが母胎から生まれ出て、初めて泣く声。うぶ声。
    1. [初出の実例]「児のはつこゑ打ち泣き給へるに」(出典:海人刈藻物語(1271頃)四)

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