精選版 日本国語大辞典 「前目」の意味・読み・例文・類語
まえ‐めまへ‥【前目】
- 〘 名詞 〙
- ① ( 形動 ) 未熟であること。また、そのさま。不十分。
- [初出の実例]「こちとらにつかはせたら物の見事な事をと、譏る人からまへめな時は是におなじ」(出典:浮世草子・傾城武道桜(1705)三)
- ② ( 形動 ) 知能の鈍いこと。また、そのさま。〔新撰大阪詞大全(1841)〕
- ③ ( 形動 ) ひかえめにすること。また、そのさま。ほどほど。
- [初出の実例]「上目に懸て取事ぞ是をおもへば色あそびも前目(マヘメ)がよし」(出典:浮世草子・椀久二世(1691)上)
- ④ ( 形動 ) 古いこと。また、そのさま。古風。
- [初出の実例]「其曾子は孝経の作者なれば孝行もちとまへめでなければならぬ事」(出典:浮世草子・諸道聴耳世間猿(1766)二)
- ⑤ 秤竿(はかりざお)で量るとき、竿の自分の側に盛ってある目盛り。また、その目盛りで量ること。
- [初出の実例]「二みちをかくる人をはいやて候 前目先目てぬくはかりとり」(出典:俳諧・伊勢山田俳諧集(1650)長抜書)