前肛動物(読み)ゼンコウドウブツ

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精選版 日本国語大辞典 「前肛動物」の意味・読み・例文・類語

ぜんこう‐どうぶつ【前肛動物】

  1. 〘 名詞 〙 苔虫類腕足類、箒虫類、フサカツギ類など、頭部に触手環をもち、肛門が口に接近して開口する無脊椎動物の総称。この分類法は現在用いられていない。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「前肛動物」の意味・わかりやすい解説

前肛動物
ぜんこうどうぶつ

動物分類学上の1門Prosopygiiの名、およびそれを構成する動物群。コケムシ類、腕足類、ホウキムシ類プリアプルス類ホシムシ類を含む。体の前方に肛門(こうもん)が開く共通点(ただし、プリアプルス類の肛門は体の後端にある)を重視して、19世紀の終わりに提唱された名であるが、最近はほとんど用いられない。現在、ホシムシ類は昇格して星虫動物門に、プリアプルス類は袋形動物門(たいけいどうぶつもん)中の1綱、ほかの3類はまとめて触手動物門とする場合が多い。

[馬渡峻輔]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「前肛動物」の意味・わかりやすい解説

前肛動物
ぜんこうどうぶつ
Prosopygii

ホウキムシ類,コケムシ類,腕足類,ホシムシ類を合せて1門とした名称。肛門が体の前方に,口とほとんど同じ位置に開口している動物群として A.ラングによって 1888年に提唱されたが,現在では用いられていない。

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