日本大百科全書(ニッポニカ) 「割引債券」の意味・わかりやすい解説
割引債券
わりびきさいけん
額面から利子相当分を割り引いて発行し、償還時に額面金額で元本が返済される債券。割引債ともいわれる。償還差益(額面金額と発行価額の差)が実質上の利子にあたる。利付債券でも額面以下で発行されることがあるが、割引額が小さいため割引債券とはいわない。割引債券には短期国債、電信電話債券、金融債などがあり、通常は期間1年以内の短期債である。割引金融債はとくに知名度が高く、次の略称でよばれてきた。ワリコー(割引興業債券)、ワリチョー(割引長期信用債券)、ワリシン(割引日本信用債券)、ワリノー(割引農林債券)、ワリショー(割引商工債券)。しかし発行主体の変化および発行停止により、現存しているのはワリシン、ワリショーのみとなっている(2008年現在)。
[麻島昭一]