元本(読み)がんぽん

精選版 日本国語大辞典 「元本」の意味・読み・例文・類語

がん‐ぽん グヮン‥【元本】

〘名〙
物事のはじめ。もと。
※六物図抄(1508)「性は元(クン)本也。そのまま湛然寂常の処ぞ」 〔晉書‐天文志上・中宮
② もとで。元金。
③ 利益、収入を生じるもととなる財産貸家貸地公債、株券、貸金、預金などの類。
民法(明治二九年)(1896)一二条「元本を領収し又は之を利用すること」

げん‐ぽん【元本】

〘名〙
① もと。根源となるもの。原本
② 利益や収入を生じるもととなる物件または権利。利益を生ずる財産。預金、貸地、株式債券の類。がんぽん。〔袖珍新聞語辞典(1919)〕

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デジタル大辞泉 「元本」の意味・読み・例文・類語

がん‐ぽん〔グワン‐〕【元本】

もとで。元金。
利益・収入を生じるもととなる財産または権利。預金・貸家・株券著作権の類。「元本保証」
[類語]元金元利

げん‐ぽん【元本】

がんぽん(元本)

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改訂新版 世界大百科事典 「元本」の意味・わかりやすい解説

元本 (がんぽん)

日常一般には,金銭貸借に際し,利息を生ずる〈元金〉の意味に用いられる。法律用語としても,この意味で使用されることが最も多い。借金元利合計を完済するに足りない額の返済をした場合には,原則として,まず利息の弁済にあて,ついで残りがあれば〈元本〉の弁済にあてるべき旨の民法の規定(民法491条1項)は,まさにこの意味で使用されている(その他,民法297,346,405条,利息制限法1,2条)。ただ,法律上はこれより広く,使用の対価としての収益を生じる財産の意味で使われることもある(民法12条1項1号)。この意味では,地代家賃・利息などのいわゆる法定果実(88条2項)を生じる土地・家屋・金銭等(これを元物(がんぶつ)という),さらに,他人に使用させてその使用料を取る場合の〈特許権〉などが広く元本と呼ばれることになる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「元本」の意味・わかりやすい解説

元本
がんぽん

収益を生む元になる財産。一般に法定果実を生じさせる元物をいうが,特に利息(→利子)を生じさせる元となる貸金をいう(→果実)。無体財産権など無体物を含み,有体物である元物よりは広い。元本の領収,利用を被保佐人がなす場合は保佐人(→保佐)の同意を要する(民法13条1項1号)。なお,元本のほか,債務の費用,利息を支払うべき場合に,債務者の提供した弁済がそのすべてを満足しないときは,合意があればその合意に従って充当され,合意がなければ費用→利息→元本の順で弁済にあてられる(491条1項)。

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投資信託の用語集 「元本」の解説

元本


投資したお金、元金のこと。「元本割れ」とは投下したお金より、少ない金額しか戻らないことをいう。投資信託の場合、単位型など買付時手数料が内枠制のものを除くと、通常元本1万円で設定される。

出典 (社)投資信託協会投資信託の用語集について 情報

普及版 字通 「元本」の読み・字形・画数・意味

【元本】げんぽん

根本。

字通「元」の項目を見る

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