劉大櫆(読み)りゅうたいかい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「劉大櫆」の意味・わかりやすい解説

劉大櫆
りゅうたいかい
(1698―1779)

中国、清(しん)代の古文家。字(あざな)は才甫(さいほ)また耕南、号は海峯(かいほう)。安徽(あんき)省桐城(とうじょう)の人。官は不遇に終わったが、古文(散文)に優れ、同郷の方苞(ほうほう)に認められてから文名は大いにあがった。門下姚鼐(ようだい)が出て、彼らの出身地の名をとった「桐城派」古文は、清末の古文の主流を占めるに至った。方苞、姚鼐と並んで桐城派の三祖とよばれるが、方苞の「義法」の説を受けて、義理は材料で文人の仕事は神気音節にあるとした文章論『論文偶記』は特色あるものである。『海峯詩集』『海峯文集』各8巻がある。

[伊藤虎丸]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の劉大櫆の言及

【桐城派】より

…中国,清代古文の一派,また最大の文学流派名。安徽省桐城県出身の方苞(ほうほう)が基礎をつくり,継承者の劉大櫆(りゆうだいかい),姚鼐(ようだい)がいずれも同県出身のために,この名がある。明代の唐・宋派の系譜に立ち,宋学の学統を守る〈道の文学〉を目指して文章の〈義法〉,すなわち内面的理法と外形的法則の調和を説き,簡潔で質実な文章を書いた。…

※「劉大櫆」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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