労ぐ(読み)ネグ

デジタル大辞泉 「労ぐ」の意味・読み・例文・類語

ね・ぐ【労ぐ/×犒ぐ】

[動ガ上二]
神の心を慰めて、加護を願う。
和魂にきみたまを―・ぎて王船みふねの鎮めとし」〈神功紀〉
いたわる。慰める。ねぎらう。
「勇みたる猛き軍士いくさと―・ぎ給ひ」〈・四三三一〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「労ぐ」の意味・読み・例文・類語

ね・ぐ【労・請・犒】

  1. 〘 他動詞 ガ上二段活用 〙
  2. ( 請 ) 神の心を慰め、その加護を願う。
    1. [初出の実例]「和魂を請(ネキ)て王(み)船の鎮(しつめ)としたまふ」(出典:日本書紀(720)神功摂政前(熱田本訓))
  3. 苦労を慰める。いたわる。ねぎらう。
    1. [初出の実例]「何とかも汝の兄、朝夕の大御食に参出来ぬ。専ら汝泥疑(ネギ)教覚(をし)へよ〈泥疑二字音を以ゐる〉」(出典:古事記(712)中)

労ぐの補助注記

( 1 )の意は通常「ねぐ(祈)」に含めて考えられているが、「時代別国語大辞典‐上代編」の、他の心を慰めいたわる意を原義とし、上位に対するとき願う意に、下位に対するときねぎらう意になるとする説に従う。「続日本紀」に「禰宜」の表記のある、神職の「ねぎ」も、この上二段活用動詞の連用形の名詞化とすれば、「宜」が乙類の文字であるのとよく合う。
( 2 )は、連用形語尾の「疑・宜」が乙類の文字であるから、四段活用ではなく上二段活用と認められる。

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