家庭医学館 「動揺肩」の解説
どうようかたどうようせいかたかんせつ【動揺肩(動揺性肩関節) Loose Shoulder】
肩の関節が、あらゆる方向に正常以上に動いて、不安感をともなうのを動揺肩といいます。
外傷と関係なく、自分の意志で肩を脱臼(だっきゅう)させたり、特定の腕の位置で肩が習慣性に脱臼する状態もこれに含まれます。
[症状]
症状としては、肩関節の痛み、脱臼しそうな不安な感じ、腕のしびれ感、肩こりなどがあります。
肩関節以外にも、指、足、肘(ひじ)や膝(ひざ)の関節がやわらかい人に多くみられます。
[治療]
男女とも、13~14歳で発症することが多いようですが、発症から4年の間に、とくに治療を必要としない状態になっている例も多くみられます。
症状が続く場合は、まず肩の周囲の筋力を鍛える必要があります。それでも腕のしびれを訴える人には、肩甲骨(けんこうこつ)の安定をはかり、姿勢をよくするバンドを装用してもらうこともあります。
しかし、脱臼をくり返す人には、関節を包んでいる袋(関節包(かんせつほう))を縫い縮める手術や、肩甲骨の傾きを正しくするために大胸筋(だいきょうきん)を移動する手術などが行なわれることもあります。