日本歴史地名大系 「匂坂郷」の解説 匂坂郷さぎさかごう 静岡県:磐田市匂坂郷勾坂とも鷺坂とも記され、磐田原台地の西端、匂坂上(さぎさかかみ)・匂坂中から南の現豊田(とよだ)町富里(とみさと)・高見丘(たかみがおか)にかけての一帯に比定される。嘉応三年(一一七一)二月日の池田庄立券状写(松尾大社文書)に池田庄艮(北東)境の示として「勾坂境古河」がみえる。「太平記」巻一四(矢矧・鷺坂・手超河原闘事)によれば建武二年(一三三五)一二月、「鷺坂」に陣を布いた足利直義方の軍勢は新田義貞軍に攻められ、退いたという。天文一六年(一五四七)三月二日、匂坂六右衛門尉(長能)に累代知行の地である豊田(とよだ)郡匂坂郷が今川氏から安堵された(今川義元判物写「今川一族向坂家譜」大阪府立中之島図書館蔵)。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by