日本大百科全書(ニッポニカ) 「北知床岬」の意味・わかりやすい解説
北知床岬
きたしれとこみさき
南樺太(からふと)の北東部から南南東に向けて突出する半島、またその南端の岬。旧称シンノシレトコ(真知床)岬。ロシア連邦ではサハリン州に属し、テルペニヤ岬Мыс Терпения/Mïs Terpeniyaとよぶ。東北山脈の延長にあたり、半島は長さ約70キロメートル。幅約5キロメートルの地峡をもつ。この岬により、オホーツク海と多来加(たらいか)湾(テルペニヤ湾)を分ける。低平な丘陵の半島で、樺太島の東端(東経144度40分)にあたる。半島の東岸は寒流の勢力に強く影響されて6月まで流氷があり、7月の平均気温はわずか10℃。岬の沖合いには海豹(かいひょう)島(チュレーニー島)がある。1809年(文化6)間宮林蔵(まみやりんぞう)はこの岬まで探検にきて引き返している。
[渡辺一夫]