寒流(読み)かんりゅう(英語表記)cold current

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

寒流
かんりゅう
cold current

極海域から大陸に沿って赤道のほうへ流れる低温の海流の総称。暖流に対する。太平洋では北にアラスカ海流があり,その西側の延長が親潮となって三陸沖で黒潮に接する。南極海域では南極環流があって,流氷氷山が多い。大西洋では北のラブラドル海流東グリーンランド海流がおもな寒流で3月から7月にかけて多量の流氷や氷山を運ぶ。寒流はまわりの海水に比べて低温で塩分が低く,酸素,リン酸塩ケイ酸塩など (→栄養塩類 ) が多いのでプランクトンが繁殖する。親潮やラブラドル海流などはこの例で,暖流と接する極前線付近は特に好漁場として知られている。

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百科事典マイペディアの解説

寒流【かんりゅう】

流域外に比べて低温の海流。一般に低塩分で酸素が多い。栄養塩に富んでいて生産力が高い。親潮,ラブラドル海流はその例。
→関連項目暖流

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海の事典の解説

寒流

海流は、近似的に暖水と冷水の境目をほぼ等温線に沿って流れており、寒流といっても、決して周りより冷たい水の流れではなく、この言葉は海洋学上あまり使 われない。しいて定義すれば、大気から大量の熱を奪いつつ流れる海流のことで、周辺の気候に与える効果から名付けられたもので、地理学的な呼び名である。 (永田

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大辞林 第三版の解説

かんりゅう【寒流】

周りの海水より水温の低い海流。高緯度海域から赤道方面へ流れる。日本近海では親潮・リマン海流など。 ⇔ 暖流
冷たい水の流れ。 〔の意で用いられるのは、島田豊訳の「地文学」(1888年)が最初の例〕

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

寒流
かんりゅう
cold current

周りよりも水温の低い海流。親潮はその一例である。暖流と同じく、むしろ日常用語であり、科学用語としてはあまり使われない。[高野健三]

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精選版 日本国語大辞典の解説

かん‐りゅう ‥リウ【寒流】

〘名〙
① 冷たい水の流れ。
※和漢朗詠(1018頃)上「寒流月を帯びて澄めること鏡のごとし 夕吹(せきすい)霜に和(くゎ)して利きこと刀に似たり〈白居易〉」
※芙蓉詩集(1755)宿江辺閣「月明開遠霧、漁火点寒流
② 海流の一つ。地球の両極地方から赤道地方に向かって流れる寒冷な海流。日本の近海では、親潮、リマン海流など。⇔暖流
※地文学(1888)〈島田豊訳〉「寒流」
[語誌]②の意の出現はおそく、明治も二〇年代に入ってからで、「米欧回覧実記」(一八七七)では「寒潮」「冷潮」しか使われていない。

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世界大百科事典内の寒流の言及

【海流】より

…そこで便宜上例えば,吹走流(風の応力でできる流れ),傾斜流(海面傾斜によるもの),密度流(海水の密度差に起因するもの),補流(ある海域の水がなんらかの原因で流れ去るとその分を補うため他から海水が流れてくる)などの言葉を使うことがあるが,もともとこれらを含めて複雑な要因がからみ合って一つの海流を形成するのであるから,上記の分類で海流をはっきり区別するのは無理がある。 このほか,実生活上よく使われる分類として暖流と寒流があるが,科学的には厳密さを欠く分類法で,二つの海流が接している時に温度の高い方を暖流,低い方を寒流と呼んで区別するのに便利だという程度の意味である。例えば黒潮と親潮は三陸沖で接するが,このとき黒潮は暖流,親潮は寒流と呼ばれる。…

※「寒流」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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