ロシア連邦東端,サハリン(樺太)東岸に突き出したテルペニア岬(北知床岬)より約18km南にある小島。海豹島,またロッペン島ともいう。島名の〈チュレーニー〉はロシア語でアザラシ類のこと。別名の〈ロッペン〉はウミガラスともいうロッペン鳥が多かったことによっている。島全体の幅は70m,長さは700m。標高約15mの平頂な隆起海食台地からなる。岩盤は幅40m,長さ400mの第三紀層よりなり,海岸部周辺には砂浜が発達する。東岸に近く多くの岩礁と砂州があり,とくにこの部分にオットセイが大群をなして5月下旬~10月中旬に生息,いわゆる〈ハレム〉をつくって子を産み育て,秋以後にはことごとく南へ去る。プリビロフ諸島,コマンドル諸島とともに世界のオットセイの三大繁殖地の一つとして知られる。かつて乱獲により頭数が激減したが,1911年の日英米露4国オットセイ保護条約締結以後,捕獲制限により頭数が増加し,27年秋の樺太庁調査では2万8000頭であった。
→サハリン
執筆者:渡辺 一夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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