十ヵ国軍縮委員会(読み)じっかこくぐんしゅくいいんかい(その他表記)Ten-Nation Disarmament Committee; TNDC

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「十ヵ国軍縮委員会」の意味・わかりやすい解説

十ヵ国軍縮委員会
じっかこくぐんしゅくいいんかい
Ten-Nation Disarmament Committee; TNDC

東西十ヵ国軍縮委員会とも通称される。 1959年9月にできた軍縮交渉機関。 54年以来,国連軍縮委員会が主要な交渉機関であったが,57年秋からソ連がその構成を不満として不参加を表明していた。そのためアメリカ,ソ連,イギリス,フランス四大国が折衝の結果,ソ連の要求を入れて,東側から5ヵ国 (ソ連,ポーランドチェコスロバキアルーマニア,ブルガリア) ,西側から5ヵ国 (アメリカ,イギリス,フランス,カナダイタリア) の計 10ヵ国をもって新委員会を構成することが決定した。ただし,これを国連のなかにおくと,国連に東西同数制の原則を持込む結果になるという西側の主張にソ連も妥協して,TNDCを国連の機構外におくことになった。しかし,西側が長期にわたる計画的な軍縮を主張したのに対し,ソ連側は短期の軍備全廃を主張して譲らず,両者の意見が一致しなかったため,TNDCの実質的な活動は,60年3~6月までの短期間であった。

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