十三翼の戦い(読み)じゅうさんよくのたたかい(その他表記)Shi-san-yi; Shih-san-i

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「十三翼の戦い」の意味・わかりやすい解説

十三翼の戦い
じゅうさんよくのたたかい
Shi-san-yi; Shih-san-i

モンゴル帝国の創建者チンギスハンの第1次即位 (ハンの即位,チンギスは再度即位している) 後まもなく,モンゴル族の有力者であったジャムハ (札木哈)との間に起った戦い。チンギスの輩下の馬群をジャムハの弟が盗み,逆に殺されたことから,ジャムハが復讐のためタイチュート族以下 13の諸族を集め,チンギスも十三翼を編成してダラン・バルジュート草原で合戦した。この戦いの結果は,チンギスが敗れたといわれるが,勝敗については諸記録とも曖昧である。両軍ともかなりの損害を受けたらしく,勝ったといわれるジャムハ側もチンギスを壊滅させることはできなかった。両軍勢とも1万 3000,あるいは3万と伝えられる。「翼」とは,円形の駐営形式を意味すると同時に軍隊の単位を示すモンゴル語クリエンの中国語訳。この戦いは,モンゴル部族内で台頭しつつあったチンギスと反チンギス勢力の最初の公然たる権力争いであった。

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