最新 地学事典 「十和田火山」の解説
とわだかざん
十和田火山
Towada volcano
青森・秋田県境に位置する第四紀火山。気象庁の活火山名は十和田。直径11kmの十和田カルデラ,その内部に中央火口丘と直径2.8kmの中湖(なかのうみ)カルデラを有する。カルデラ内には水が湛えられ,両カルデラは連結して十和田湖を成す。先カルデラ期(22〜6.1万年前)には,たび重なる噴火により多数の溶岩・火砕物がもたらされ,成層火山体が形成された。カルデラ形成期(6.1〜1.6万年前)には,大規模な火砕流噴火が複数回発生,その度にカルデラ陥没が段階的に進み,結果として十和田カルデラが形成された。後カルデラ期(1.6万年前以降)には,中央火口丘(小規模成層火山及び2つの溶岩ドーム)が形成され,6千年前〜西暦915年の間に発生した爆発的噴火に伴い中湖カルデラが形成された。最新の噴火は西暦915年に中湖で発生し,十和田湖の周囲約20kmに火砕流が流れ下るとともに,秋田県米代川沿いでは火山泥流が発生して日本海まで達した。噴出物は玄武岩質安山岩〜流紋岩の降下火砕堆積物,火砕サージ堆積物,火砕流堆積物および溶岩からなる。
執筆者:工藤 崇
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

