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火山泥流 かざんでいりゅうvolcanic mudflow

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

火山泥流
かざんでいりゅう
volcanic mudflow

火山体に堆積した土砂など多量の火山砕屑物と水が混ざって流下する現象ラハール laharともいう。成因はさまざまで,火口湖での噴火や,噴火の熱による火口周辺の氷雪融解などによる一次的なものと,噴火後の多量の降雨などによる二次的なものがある。大規模な場合は流下速度が時速 10km~数十kmと速く,広範囲が土砂で覆われる大災害になることが多い。1985年のコロンビアのネバドデルルイス山の噴火では,火砕流により山頂付近の氷河が融解して多量の火山泥流が発生,山頂から約 50km離れたアルメロを直撃し,住民約 2万5000人が犠牲となった。(→火山災害

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デジタル大辞泉の解説

かざん‐でいりゅう〔クワザンデイリウ〕【火山泥流】

火山砕屑物(さいせつぶつ)が多量の水と混ざって山腹を高速で流れ下る現象。火口湖で噴火したときや、堆積(たいせき)した火山灰に大雨が降ったときに生じる。ラハール。

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世界大百科事典 第2版の解説

かざんでいりゅう【火山泥流 volcanic mud flow】

火山噴出物または火山体の崩壊したものが,表流水や融雪水と混じって山腹を流下する現象。噴火や水蒸気爆発など火山活動が直接の引金になるもの,火口湖やカルデラ壁の崩壊,豪雨のみによるものなど原因も多様で,流下速度や流下形態もいろいろである。大きい礫(れき)が密集したもの,大部分が泥からなるもの(狭義の泥流),その中間のものなど流下物も多様である。どの場合でも,細かい火山性砕屑物(さいせつぶつ)と水が混じり,比重・粘性の大きい混合物が間を満たし,そのため巨礫も浮かんで運ばれる。

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大辞林 第三版の解説

かざんでいりゅう【火山泥流】

大小の火砕物が大量の水と混じって山腹を高速で流下する現象。大惨害をもたらすことがある。

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知恵蔵miniの解説

火山泥流

火山体に堆積した火山灰や土砂などが水と混ざり、一体となって流下する現象。「ラハール」とも呼ばれる。噴火に伴う火口湖の決壊や、噴出した蒸気の液化、噴火の熱による氷雪の融解、噴火後の多量の降雨などによって発生する。氷雪の融解によるものは、特に「融雪型火山泥流」といわれる。流下する速度は非常に速く、かなりの遠方にまで達する場合もある。

(2015-7-7)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

火山泥流
かざんでいりゅう
volcanic mud flow

火山の斜面に堆積(たいせき)した火山噴出物が、大雨などによって多量の水分を含み、山腹を流れ下る現象。火山地域におこる土石流のこと。ときには秒速数十メートルにも達する高速で、下流まで一気に流れ下るので流域地域が広く破壊される災害となることが多い。細かい火山灰の地層が水を通さないので、地表水が谷の部分に集まって流路の土砂を取り込み泥流となる。このため、水蒸気爆発など火山灰を多く放出する噴火中に発生することが多い。しばしば熱い熱泥流が噴火中に発生することもある。
 1926年(大正15)の積雪期に発生した十勝岳(とかちだけ)の噴火では、火口丘の一部が崩れて、融雪による泥流が発生した。爆発の約25分後には泥流が20キロメートル以上も離れた上富良野(かみふらの)町の居住地を急襲し、死者144人などの惨害を出した。1985年にコロンビアのルイス火山(ネバド・デル・ルイス火山)で発生した火山噴火では、山頂部の氷河が溶け、山頂から40キロメートルも離れた麓(ふもと)の町アルメロに泥流が流れ込み、2万3000人もの死者が出た。また、火山泥流は、火山爆発で高空に上昇した水蒸気が冷却・凝結して生じた豪雨で、発生ないし助長されることもある。さらに、1783年(天明3)の浅間山(あさまやま)大噴火の鎌原(かんばら)熱雲のように、火砕流や岩屑(がんせつ)なだれが河川に流入し、泥流に変わるものもある。三宅島(みやけじま)で2000年(平成12)に発生したマグマ水蒸気爆発では、山腹に玄武岩質の細かい火山灰が厚く堆積し、その後数年にわたって大雨の際に泥流が繰り返して発生した。[諏訪 彰・中田節也]

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