十義(読み)ジュウギ

デジタル大辞泉 「十義」の意味・読み・例文・類語

じゅう‐ぎ〔ジフ‐〕【十義】

《「礼記」礼運から》儒教で説く、それぞれの立場にある人のふみ行うべき10の道徳。父の慈、子の孝、兄の良、弟のてい(年長者に従うこと)、夫の義、婦の聴(人の言葉を聞き入れること)、長の恵、幼の順、君の仁、臣の忠。

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精選版 日本国語大辞典 「十義」の意味・読み・例文・類語

じゅう‐ぎジフ‥【十義】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「礼記‐礼運」の「何謂人義父慈、子孝、兄良、弟弟、夫義、婦聴、長恵、幼順、君仁、臣忠、十者謂之人義〈略〉治人七情十義」による ) 儒教でいう、人のふみ行なうべき十箇条の道、父の慈、子の孝、兄の良、弟の弟(悌)、夫の義、婦の聴、長の恵、幼の順、君の仁、臣の忠の一〇をいう。
    1. [初出の実例]「五りんの道をこまかに分て論ずれば五典十義(じふギ)となれり」(出典翁問答(1650)上)

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世界大百科事典(旧版)内の十義の言及

【義】より

…儒教では五常(仁義礼智信)のひとつとして重視され,しばしば〈仁義〉〈礼義〉と熟して使われるが,対他的,社会的行為がある一定の準則にかなっていることをいう。《礼記(らいき)》礼運篇では人の義として,父の慈,子の孝,兄の良,弟の弟(てい)(目上の者に対する従順さ),夫の義,婦の聴(聴き従う),長の恵,幼の順,君の仁,臣の忠の十義を列挙する。朱子学では,仁を温和慈愛の道理とし,義を宜としたうえで断制裁割(利刀で物を断ち切るようにけじめをつける)の道理とする。…

※「十義」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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