南極環流(読み)ナンキョクカンリュウ(英語表記)Antarctic Circumpolar Current

デジタル大辞泉 「南極環流」の意味・読み・例文・類語

なんきょく‐かんりゅう〔‐クワンリウ〕【南極環流】

南極大陸周囲を西から東へ向かって時計回りに流れる海流。流れの中心南緯50度から60度付近にある。周南極海流環南極海流南極周極海流

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精選版 日本国語大辞典 「南極環流」の意味・読み・例文・類語

なんきょく‐かんりゅう ‥クヮンリウ【南極環流】

南緯五〇度から六〇度付近で、南極大陸の周囲を西から東へ向かって流れる海流。

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改訂新版 世界大百科事典 「南極環流」の意味・わかりやすい解説

南極環流 (なんきょくかんりゅう)
Antarctic Circumpolar Current

南極大陸の周りを西から東に向かって流れる海流。南極海流Antarctic Polar Current,南極周極海流,周南極海流または環南極海流とも呼ばれる。流速の最も速い位置はだいたい南緯50°から60°の間にある。流速は0.5ノット程度であるが,幅が広く深さは3000m以上もあるので流量が毎秒1億tにも達する大海流である。南極環流の内側の南極大陸沿いに東向きの流れがあるという報告もあるが確認されていない。
海流
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「南極環流」の意味・わかりやすい解説

南極環流
なんきょくかんりゅう
Antarctic Circumpolar Current

南極周極海流ともいう。南極大陸のまわりを西から東へ向う環流。流れの中心は南緯 50°~60°,流速は 0.5ノット以内で遅いが,厚さが 3000mもあるので,流量は毎秒1億tをこえる莫大な量の海流といわれる。

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世界大百科事典(旧版)内の南極環流の言及

【インド洋】より

…その後同海嶺は,断裂帯へ変身してゆく。オーストラリアと南極との分離は,ずっと遅く約4000万年前の後期始新世に始まり,南極環流が形成されるほど開くのは始新世を過ぎてからである。同海流は南極大陸氷河を生じ,海底に厚いケイ質軟泥を積もらせるもととなった。…

【海洋大循環】より

…また赤道をはさんでその両側に幅の狭い循環も見られる。南半球の亜熱帯循環のさらに南側には,図には描かれていないが,南極環流という南極大陸を囲む循環がある。この北半球と南半球が対称でないのは陸地と海洋の分布が両半球で異なるためと考えられる。…

【南極海】より

…南極収束線の南北で水質が異なるため,南側にはおもにケイ質軟泥,北側にはおもに石灰質軟泥が堆積している。 ほぼ南緯40゜以南の海水は,偏西風帯下にあって,西から東へ流れ,南極環流,周南極海流などといわれる。その流軸は南極収束線の位置にほぼ一致しているが,これらは必ずしも連続した環流ではなく,大小の渦流が連なった結果の時計回り環流で,今後研究が必要である。…

※「南極環流」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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