南極大陸(読み)なんきょくたいりく(英語表記)Antarctica

翻訳|Antarctica

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

南極大陸
なんきょくたいりく
Antarctica

南緯 90°の南極点を中心に広がる大陸。大部分は平均の厚さ 2000mの氷におおわれる。面積は約 1400万 km2で,オーストラリア大陸の2倍に近い。ほとんどの地域が一年中氷雪に閉ざされる氷雪気候区に属し,冬の内陸高原では毎年-70~-60℃に達する。ボストーク基地では 1960年に-88.3℃の世界最低気温を観測した。ただし,南アメリカ大陸方向に延びる南極半島にはツンドラ気候区も分布する。地質構造上ロス海西縁とウェッデル海東縁を結ぶ線で2分され,それより東 (東南極) は古い岩石を基盤とする安定陸塊に属するが,西 (西南極) は環太平洋造山帯に属し,中生代以降の新しい岩石が多く,褶曲山地も発達する。西南極では岩盤の高さが海面より低いところが広く,氷が解ければ多くの島に分れるともいわれる。 1959年に南極条約が調印され,大陸の軍事的利用禁止,領土権の凍結などを国際間で取決めた。

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百科事典マイペディアの解説

南極大陸【なんきょくたいりく】

Antarctica。南極を中心にほぼ南極圏の範囲に広がる大陸。一面に大陸氷がおおい(氷厚平均2000m)海岸線は不明確な部分が多く,面積も約1310万1000km2であるが,大陸沿岸の棚氷(たなごおり)を加えると1412万km2くらいになり,豪州の2倍に達する。南極点をはさんで相対するウェッデル海とロス海の間の低地によって東南極大陸と西南極大陸に分けられる。東南極大陸は半円形の古い大陸塊で,標高2000〜2500mの楯(たて)状地をなし,片麻岩,結晶片岩などを基盤に,中生代以降の砂岩,粗粒玄武岩の岩床がおおう。ロス海西方のビクトリアランドやウェッデル海東部のクイーンモードランドなどは中生代以降大規模な地殻運動を受け,標高3000〜4000mの山地を形成。西南極大陸は新しい造山帯で,環太平洋造山帯の延長にあたる南極半島とその延長部マリーバードランドまでが含まれる。中生代から第三紀にかけて激しい褶曲(しゅうきょく)作用を受けている。エレバス山はじめ数個の火山が噴火している。1994年現在,南磁極は南緯64°41′,東経138°49′付近にある。大陸上の乾燥した気団と周辺海上の海洋性寒冷気団は大陸近くの海洋で接し南極前線を構成するが,前線沿いに低気圧が侵入し変化の激しい天候を生ずる。著しい低温も大きな気候の特色で,中心部では最暖月平均−30℃,最寒月平均−70℃。ボストーク基地では1983年に−89.2℃の世界最低気温を記録した。北極に比べ動物相は貧弱で,内陸の陸生動物はなく,沿岸ペンギン,海域にアザラシ,クジラをみる程度である。〔探検〕 1773年J.クックが南緯71°10′に到達して以来,1819年−1821年ロシアのベリングスハウゼンの大陸沿岸周航,1823年ウェッデルのウェッデル海探検,1835年ころデュモン・デュルビルの南緯64°30′到達,1838年―1842年ウィルクスのウィルクスランド沿岸海域探検などがあり,1839年―1843年J.ロスが大陸を周航,初めてパックアイスを突破し,ロス氷棚を発見した。1908年―1909年シャックルトンが南緯88°23′に到達。1911年12月14日アムンゼンが南極点に到達したが,おくれて1912年1月17日南極点に到達したスコットとの激しい競争はよく知られている。日本では1912年白瀬矗(のぶ)がロス海を南進,大和雪原(ゆきはら)を命名。1928年英国のH.ウィルキンスが初めて飛行機でグレアムランド(南極半島)上空を探検,1929年米国のR.E.バードがリトルアメリカ基地から南極点上空を飛行。以後各国の総合的な科学調査も盛んになり,1957年―1958年の国際地球観測年には大々的な観測が行われた。第2次大戦後昭和基地を中心に日本も継続的な南極観測を行っているが,1968年12月村山雅美隊が日本人として初めて陸路南極点に到達。なお各国の領土権は南極条約によって凍結されており,条約の失効する1991年になって,南極地域の資源開発を50年間禁止する環境議定書がスペインのマドリードで調印され,39の南極条約加盟国の批准によって発効した。
→関連項目ウィルクス・ランドウェッデル海エルズワースエンダビー・ランドクイーンモードランド南極南極海南極地方ビンソン[山]ベリングスハウゼンマリー・バード・ランド

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デジタル大辞泉プラスの解説

南極大陸

日本のテレビドラマ。放映はTBS系列(2011年10月~12月)。全10回。脚本:いずみ吉紘。出演:木村拓哉、柴田恭兵、香川照之ほか。TBS開局60周年の記念作品。

南極大陸

米国の作家キム・スタンリー・ロビンスンの近未来冒険小説(1997)。原題Antarctica》。

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大辞林 第三版の解説

なんきょくたいりく【南極大陸】

南極を中心に広がっている高原大陸。陸上のほとんどが厚い氷雪におおわれているが、沿岸の露岩地域にはアザラシやペンギンなどの動物や、コケ類・地衣類などの植物が生育する。面積約1390万平方キロメートル。

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世界大百科事典内の南極大陸の言及

【南極】より

…【古川 麒一郎】
〔地球の南極〕

【南極地域】
 南極は地球の自転軸の南端である南緯90゜の地点を指し,この地点は南極点South Poleと呼ばれる。一般には南極点を中心として,ほぼ円形の南極大陸Antarctica,さらに周辺の島や海域まで含めた南極地域Antarcticを指す。古代ギリシアでは,周極星の熊座arktos(おおぐま座Ursa Major)にちなんで北極(北方)をarktikosと,南極(南方)を〈…に反対の〉を表す接頭語をつけantarktikosと形容していた。…

※「南極大陸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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