ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「南部アフリカ前線諸国」の意味・わかりやすい解説 南部アフリカ前線諸国なんぶアフリカぜんせんしょこく 人種主義的少数白人支配から南部アフリカ地域を解放,支援,推進する目的で生み出された南部アフリカ諸国のグループ。フロントライン諸国ともいう。 1974年 12月のルサカ会議を機にタンザニア,ザンビア,ボツワナ,独立直前のモザンビークにより組織された。その後アンゴラ,ジンバブエ,ナミビアが参加して現在7ヵ国。前線諸国の動きが最も活発であったのは,74年4月のポルトガル本国の政変を契機として南アフリカ,南ローデシア (現ジンバブエ) ,ポルトガルの白い三角同盟が崩壊し,アンゴラ,モザンビークの独立が確定的となり,南ローデシアの少数白人支配体制が大きくゆらぎはじめた時期である。ザンビアを窓口とし,和戦両様の構えでスミス首相の少数白人政権を揺さぶり,南ローデシアが 80年4月に黒人多数支配のもとでジンバブエとして独立するのに大きく貢献した。しかし,1980年代に入って周辺諸国に対する南アフリカ共和国の経済的軍事的圧力・攻勢が強まると,前線諸国の影響力は次第に弱まり,ナミビア解放,アパルトヘイト廃絶についてはさほど大きく貢献することはできなかった。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by