改訂新版 世界大百科事典 「南関東ガス田」の意味・わかりやすい解説
南関東ガス田 (みなみかんとうガスでん)
日本最大の水溶性天然ガス田。房総半島北部から関東平野南部にかけての面積約4300km2の地域を占め,原始埋蔵量は約5500億m3である。ガス層は,新第三紀鮮新世から第四紀更新世にまたがる海域の上総層群の堆積盆中にある。本層群は薄い(1m以下のものが最も多い)砂,泥互層であり,現在の産ガス地区は東京湾岸では習志野,千葉,市原地区で,太平洋岸では旭から台東岬まで,内陸では成田,成東,夷隅,上瀑地区である。茂原市付近の梅ヶ瀬,大田代両層を採取したガス井は稼働開始後ガス量,ガス水比ともに増加するものがあり,いわゆる茂原型として知られている。茂原市周辺でも黄和田,大原両層以下の採取および茂原市付近以外の地区では,このような産出経過を示さず,通常型と称している。本ガス田は11業者により1996年には日産約117万m3のガスを生産している。
執筆者:本間 敏夫
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