南閨雑話(読み)なんけいざつわ

改訂新版 世界大百科事典 「南閨雑話」の意味・わかりやすい解説

南閨雑話 (なんけいざつわ)

洒落本。夢中山人(むちゆうさんじん)作。1773年(安永2)刊。1冊。南閨は品川遊里をいう。国元から上った藩の重役人を,江戸詰めの作事役人沢井が,工事請負人忠治や材木屋の若息子幸治郎,大工長七などと品川の遊里に遊ばせるという構成をとる。あまりよくもてなされない役人の武士客や,なじみの女と痴話喧嘩を楽しむ忠治や,初会の女郎に惚れられるうぶな幸治郎などが,いきいきと描かれている。品川を扱った洒落本の代表作。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 水野

貨幣 (名目) 賃金額を消費者物価指数でデフレートしたもので,基準時に比較した賃金の購買力を計測するために用いられる。こうしたとらえ方は,名目賃金の上昇が物価の上昇によって実質的には減価させられている...

実質賃金の用語解説を読む