女郎(読み)ジョウロ

デジタル大辞泉の解説

じょう‐ろ〔ヂヨウ‐〕【郎】

《「じょろう」の音変化》
遊女。おいらん。
「―の寝巻姿よろしく」〈逍遥当世書生気質
おんな。女性。
「―のお子は兎角爺親(てておや)の可愛がるものさ」〈滑・浮世風呂・二〉

じょ‐ろ〔ヂヨ‐〕【女郎】

じょろう(女郎)」の音変化。
「もしお淋しかあ、―さんがたでもおよびなさりませ」〈滑・膝栗毛・四〉

じょ‐ろう〔ヂヨラウ〕【女郎】

《「じょうろう(上﨟)」の音変化か》
[名]
遊郭で、遊客と枕をともにした女。遊女。おいらん。娼妓(しょうぎ)。じょろ。
若い女。また、一般に女性。婦人。じょろ。
「都めきたる―の、二十二、三なるが」〈浮・諸国ばなし・二〉
大名の奥向きに勤める女房や局(つぼね)。
「さる大名の北の御方に召し使はれて、日の目もつひに見給はぬ―たちや」〈浮・一代男・四〉
[接尾]女性の名前に付けて、軽い敬意や親密の情を表す。
「これ申しおふぢ―、迎ひに来ました」〈浄・堀川波鼓

め‐ろう〔‐ラウ〕【女郎】

女をののしっていう語。
「うぬおれを馬鹿にするな。此―」〈逍遥当世書生気質
女の子。少女。
「―などにすくはせ」〈宗長手記

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

女郎
じょろう

売春婦の古称の一つ。もとは女子の俗称であったが、江戸時代に遊女の別称となった。近世初期に遊女を「上らう」と記す例が多く、これを宮廷の上﨟(じょうろう)と関係づける付会説もあるが、下級妓(ぎ)の娼家(しょうか)も「上らう屋」であって、単なる記載上の雅言と考えられる。元禄(げんろく)時代(1688~1704)には、原義の女子をいう意味と遊女との二つの女郎が併存していたが、おもに江戸を中心に遊女の総称として使われるようになった。ただし、封建的階級制度により太夫(たゆう)、格子(こうし)、御職(おしょく)、囲(かこい)、端(はし)女郎、散茶(さんちゃ)などに分かれていた遊女の全部を包括したとはいえず、江戸の花魁(おいらん)には尊称の要素があるため女郎は花魁より下格のものに限る場合もあった。しかし、密淫売(いんばい)婦との区別を含めて、その概念は明らかでない。京坂では遊女の別称として「おやま」を用いたが、これも対象などはあいまいである。なお、「京女郎」のように本来の語義が残っている用例もある。

[原島陽一]

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精選版 日本国語大辞典の解説

じょう‐ろ ヂョウ‥【女郎】

〘名〙 (「じょろう(女郎)」または、「じょうろう(上臈)」の変化した語か)
① 若い女。また、女。女性。
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二「女臈(ジョウロ)のお子は兎角爺親(てておや)の可愛がるものさ」
② 遊女。娼妓。
※滑稽本・浮世床(1813‐23)初「むかしの誰とかいふ女郎(ヂョウロ)が通人とは廓へ這入(へゑ)らぬ人を通人といふ」

じょ‐ろ ヂョ‥【女郎】

〘名〙 「じょろう(女郎)」の変化した語。
※雑俳・湯だらひ(1706)「女ろの子は願以至功徳かいの」

じょ‐ろう ヂョラウ【女郎】

[1] 〘名〙
[一]
① 若い女。女子。また広く、女性。
※虎寛本狂言・比丘貞(室町末‐近世初)「一つ舞せられて被下い。〈略〉鎌倉の女郎は、すす竹のつめたに」 〔木蘭辞〕
※本朝文粋(1060頃)一・詠女郎花〈源順〉「花色如蒸粟。俗呼為女郎
[二] (「じょうろう(上臈)」の変化した語という)
① 貴族や大名の奥向(おくむき)に勤める女性。
※俳諧・談林十百韻(1675)下「此殿様へ浄るり大夫〈一鉄〉 女郎客簾中ふかく入給ふ〈在色〉」
② あそびめ。遊女。娼妓。
※評判記・色道大鏡(1678)一「端女(はしおんな)まで女郎(ヂョラウ)といひ来りぬれば、只傾城の通称として、女郎といはんに子細有るまじ」
[2] 〘接尾〙 女性の名前につけて、その人に対する軽い敬意や親密の情を表わす。
※浄瑠璃・堀川波鼓(1706頃か)上「これ申しお藤女郎、むかひに来ましたお帰りなされ」
[補注]身分の高い人をいう「上臈」から「女臈」「上郎」に転じ、さらに「女郎」となったもの。

め‐ろ【女郎】

〘名〙 「めろう(女郎)」の変化した語。
※俳諧・二葉集(1679)「きり疵か夜なきの枩に泣懸り あはれすて子やめろであるらん〈友雪〉」
※浄瑠璃・義経千本桜(1747)三「但しもふ金はふけらしたか、連れのめろからせんさく」

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