南風(はえ)(読み)はえ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「南風(はえ)」の意味・わかりやすい解説

南風(はえ)
はえ

沖縄では南の方位を「はえ」という。これより、主として西日本で、南寄りの風を「はえ」または「はい」という。他の風向とあわせて正南風(まばえ)、南東風(はえごち)、沖南風(おきばえ)、南西風(はえまじ)などの表現がある。また季節を考え、5~6月ごろの梅雨(つゆ)どき、雨を伴って吹く南風(はえ)を黒南風(くろはえ)、梅雨明け後の真夏の晴天時に吹く風を白南風(しらはえ)という。また荒れ模様の天気を伴う場合は荒南風(あらばえ)である。梅雨明けごろ、この風が吹き続くと海が荒れ、五斗の米を食べ終わるまで出漁できないといういわれから「五斗食い風」(福岡県志賀島)、また「六俵バエ」(佐賀県東松浦半島)などといわれている。

根本順吉

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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