原氏(読み)はらうじ

改訂新版 世界大百科事典 「原氏」の意味・わかりやすい解説

原氏 (はらうじ)

中世武家で,諸流がある。(1)尾張国丹羽郡司良峰氏の一族。高成が二宮(丹羽郡大県(おおあがた)社)大宮司となり原大夫と称したのにはじまる。その子高春は平忠度の伯父であったが,母が上総介広常の妹であったため源頼朝軍に参じた。その後広常に縁座して本領をいったん没収されたが,1184年(元暦1)返付されている。その子高直のとき,地頭職を没収された。高直の甥高信は,堀尾朝綱と畠地相論をしている。高国は二宮社官として二宮田所職をあてがわれていたが,1295年(永仁3)二宮雑掌と地頭職・田所職をめぐって相論している。(2)美濃源氏土岐氏流蜂屋氏の一族。恵那郡原を本拠とした。師親が原彦次郎と称したのにはじまる。1352年(正平7・文和1)には南朝側として守護代と戦った。しかし15世紀中ごろには奉公衆として土岐原駿河守の名がみえる。(3)藤原南家流。駿河国の住人原三郎清益は源平合戦の際源義経軍に従っており,その後,忠康・泰綱など御家人として多くの名がみえる。(4)千葉氏の被官で下総国小弓城の城主
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