原道(読み)げんどう(その他表記)Yuan-dao

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「原道」の意味・わかりやすい解説

原道
げんどう
Yuan-dao

中国,唐の文学者韓愈 (かんゆ) の代表的論文道義の本原を論じ,人間を社会的秩序体のうちに存在するものとして,儒家の仁義の道を鼓吹し,没社会的な仏家,道家の説を排斥した。文中に『大学』『中庸』を引き,またいわゆる道統 (中国古来の聖人の道の伝統) を唱えて,次の宋代の儒教復興の先駆となったとされている。

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世界大百科事典(旧版)内の原道の言及

【中国文学】より

…彼は議論文と伝記の文とに長じていた。前者の《原道》のごときは,儒学革新の導火線となり,後者の才能は多くの墓誌銘,祭文,哀辞など死者を弔う文によく発揮され,ともに後世の模範となった。彼の友人,柳宗元もこの運動に大きな寄与をしたが,スタイルはやや異なり,人間を直接に描くよりも,風刺,寓話によって,抑圧された心情,瞑想を表明した。…

※「原道」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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