デジタル大辞泉
「道統」の意味・読み・例文・類語
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どう‐とうダウ‥【道統】
- 〘 名詞 〙 聖人の教えを伝える系統、学派。
- [初出の実例]「上有二治統之君一、下有二道統之師一」(出典:惺窩文集(1627頃)三・答林秀才)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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道統 (どうとう)
daò tǒng
朱子学の術語。〈先王の道〉〈聖人の道〉の系譜,またはその伝達の意。唐の韓愈(かんゆ)はその《原道》のなかで,〈先王の道〉は尭(ぎよう)→舜(しゆん)→禹(う)→湯(とう)→文王・武王・周公→孔子→孟子へと伝えられたが,孟子以後その伝は断絶したという。南宋の朱熹(しゆき)(子)はこれを承(う)け,孟子以後仏教や道教の〈異端〉が栄えたが,北宋に周敦頤(しゆうとんい)(濂渓(れんけい)),程子兄弟(程頤(ていい),程顥(ていこう))が現れて〈道統の伝〉は復活したとする。なお〈道統〉という語は,〈伝道正統〉(朱熹と同時代の人李元綱の《聖門事業図》にみえる)に由来するという。
→道学
執筆者:三浦 国雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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普及版 字通
「道統」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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道統
どうとう
儒教の道を伝える聖賢の正系のこと。唐の韓愈(かんゆ)が「原道」という論文で、仏・老(道教)を排斥し儒教の道こそ真の道であるとして、堯(ぎょう)―舜(しゅん)―禹(う)―湯(とう)―文―武―周公―孔子(こうし)―孟子(もうし)という道の伝授と孟子以後の断絶を説いたのに始まる。宋(そう)代に入って孔孟の道を継承し、それを宣揚しようという道学の意識をもって問題にされ、孔子―曽子(そうし)―子思―孟子という道の伝授の確定はそのまま四書の表彰につながった。また朱子学においては、周敦頤(とんい)、二程子(程顥(ていこう)・程頤(ていい))が孟子以来千載不伝の学の正統を得、さらに朱熹(しゅき)(朱子)がそれを継承すると考えられた。
[大島 晃]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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道統
どうとう
dao-tong
儒教用語。中国,上古の聖賢の道は,堯-舜-禹-湯-文・武-周公-孔子と伝えられ,それをさらに曾子・顔回-子思-孟子と継承したが,孟子以後は仏教や道教の出現でとだえていたものを,宋代に周子があらためて受継ぎ,二程子・張子-朱子へと伝わって,朱子がその道を大成した,という考え方。したがって,その先王の道を継承する朱子学が儒学の正統であると主張する。この考え方の萌芽は,唐代の韓愈にすでにみえるが,ドグマであって史実ではない。しかし,その道を正統として宋学が確立されると,それ以外の仏教などは異端となり,仏教などの研究は軽視されることになった。そのようなゆがみは,現在でも中国思想史全体の見方に色濃く残っている。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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