道統(読み)どうとう

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

道統
どうとう

儒教の道を伝える聖賢の正系のこと。唐の韓愈(かんゆ)が「原道」という論文で、仏・老(道教)を排斥し儒教の道こそ真の道であるとして、堯(ぎょう)―舜(しゅん)―禹(う)―湯(とう)―文―武―周公―孔子(こうし)―孟子(もうし)という道の伝授と孟子以後の断絶を説いたのに始まる。宋(そう)代に入って孔孟の道を継承し、それを宣揚しようという道学の意識をもって問題にされ、孔子―曽子(そうし)―子思―孟子という道の伝授の確定はそのまま四書の表彰につながった。また朱子学においては、周敦頤(とんい)、二程子(程顥(ていこう)・程頤(ていい))が孟子以来千載不伝の学の正統を得、さらに朱熹(しゅき)(朱子)がそれを継承すると考えられた。

[大島 晃]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

道統
どうとう
dao-tong

儒教用語。中国,上古の聖賢の道は,堯-舜-禹-湯-文・武-周公-孔子と伝えられ,それをさらに曾子・顔回-子思-孟子と継承したが,孟子以後は仏教道教の出現でとだえていたものを,宋代に周子があらためて受継ぎ,二程子・張子-朱子へと伝わって,朱子がその道を大成した,という考え方。したがって,その先王の道を継承する朱子学が儒学の正であると主張する。この考え方の萌芽は,唐代の韓愈にすでにみえるが,ドグマであって史実ではない。しかし,その道を正統として宋学が確立されると,それ以外の仏教などは異端となり,仏教などの研究は軽視されることになった。そのようなゆがみは,現在でも中国思想史全体の見方に色濃く残っている。

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精選版 日本国語大辞典の解説

どう‐とう ダウ‥【道統】

〘名〙 聖人の教えを伝える系統、学派。
※惺窩文集(1627頃)三・答林秀才「上有治統之君、下有道統之師

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世界大百科事典 第2版の解説

どうとう【道統 daò tŏng】

朱子学の術語。〈先王の道〉〈聖人の道〉の系譜,またはその伝達の意。唐の韓愈(かんゆ)はその《原道》のなかで,〈先王の道〉は(ぎよう)→舜(しゆん)→禹(う)→湯(とう)→文王・武王・周公→孔子→孟子へと伝えられたが,孟子以後その伝は断絶したという。南宋朱熹(しゆき)(子)はこれを承(う)け,孟子以後仏教や道教の〈異端〉が栄えたが,北宋周敦頤(しゆうとんい)(濂渓(れんけい)),程子兄弟(程頤(ていい),程顥(ていこう))が現れて〈道統の伝〉は復活したとする。

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