厳文井(読み)げんぶんせい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「厳文井」の意味・わかりやすい解説

厳文井
げんぶんせい / イエンウェンチン
(1915―2005)

中国の童話作家。散文、小説、評論でも活躍。本名は厳文錦(げんぶんきん/イエンウェンチン)。湖北(こほく/フーペイ)省武昌(ぶしょう/ウーチャン)の生まれ。1934年省立高級中学卒業、1935年北京(ペキン)図書館職員。1937年初めて厳文井の筆名で散文集『山寺の日ぐれ』を発表。1938年延安軍政大学に行き中国共産党に入党、やがて魯迅(ろじん/ルーシュン)芸術学院教師。長編小説『ある男の煩悩(ぼんのう)』(1940)、童話集『南南(ナンナン)とひげ小父(おじ)さん』(1941)、童話『丁丁(ティンティン)のふしぎな旅行』(1949)などの著がある。解放後、中央宣伝部文芸処副処長、作家協会党グループ副書記、人民文学出版社社長などの要職を歴任しつつ多くの童話を発表。1958年出版の中編『「下一次開船」港(「次回出航」の港)』は、時間のない世界を描いた奇抜な童話で、彼の代表作となった。童話集『小さな渓流の歌』(1959)は彼のおもな作品を集めたもの。以降の童話は『厳文井近作』(1979)などに収める。中国ペンクラブの副会長を務めた。

[伊藤敬一]

『斎藤秋男訳『みみずと蜜蜂』(『ツバメの大旅行』所収・1954・牧書店)』『横川砂和子訳『ナンナンとヒゲおじさん』(1996・葉文館出版)』

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