双石村(読み)くらべいしむら

日本歴史地名大系 「双石村」の解説

双石村
くらべいしむら

[現在地名]白河市双石

阿武隈川右岸と藤野ふじの川左岸に挟まれた丘陵に位置する。通称磐城・せき両街道に沿い、西は白河城下、東は深仁井田ふかにいだ(現東村)、南は旗宿はたじゆく村、北は本沼もとぬま村に通じる。南西の山沿いに集落があり、南東水田が広がる。村名は双石明神社の神体である一尺と九尺の二つの石に由来するという。競石とも記す。建武元年(一三三四)頃と推定される結城宗広知行所領注文案(伊勢結城文書)に結城上野入道道忠(宗広)の所領として「競石郷」とみえる。応永一一年(一四〇四)四月一三日頼珍は妙円坊引檀那を含む中院寂上坊頼長重代相伝の「奥州白河くらへ石」などの檀那職を一一貫六〇〇文で中院浄忍坊へ売っている(「頼珍檀那職売券」熊野那智大社文書)。天正一五年(一五八七)四月吉日の白川義親不説判物(奥州文書)には「くらへいし」とあり、和知弾正忠は「はし本」「ひなた」両在家を与えられている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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