反哺の孝（読み）はんぽのこう

精選版 日本国語大辞典

はんぽ【反哺】 の 孝(こう)

1. 反哺して親の恩に報いるような孝行。
   1. [初出の実例]「鳩に三枝の礼有。烏に反哺の孝あり」(出典：慈元抄（1510）下)

出典　精選版 日本国語大辞典

故事成語を知る辞典

反哺の孝

親を養う孝行のたとえ。

[使用例] 徳の根底に横たわるべき源泉なくして善といい悪と呼ぶがゆえに反哺の孝と三さん枝しの礼は人生の第一義だと言われる［和辻哲郎＊霊的本能主義｜1907］

[由来] カラスの子は、成長した後、親鳥に餌を食べさせるという、中国の言い伝えから。古くは、三世紀、西せい晋しん王朝の時代の文人、成せい公こう綏すいの「烏からすの賦」という作品に、「ひなが育って飛べるようになると、『乃すなわち食を銜ふくみて反哺す（餌をくわえて親に食べさせる）』」とあります。なお、「反」は、親鳥がひな鳥に食べさせたのとは逆に、という意味。「哺」は、食べ物を食べさせることを表します。

出典　故事成語を知る辞典