反応単位高さ(読み)ハンノウタンイタカサ

化学辞典 第2版 「反応単位高さ」の解説

反応単位高さ
ハンノウタンイタカサ
height of reaction unit

略称H.R.U..触媒粒子を充填した固定層を用いて,触媒表面でのガスの気相接触反応を行うとき,反応装置の性能を表すために導入された概念である.触媒反応が進行するには,ガス流中にモル分率y濃度で存在している反応ガスが,まず触媒粒子の外表面(そこでの反応ガスのモル分率 yi)にまで拡散し,さらに触媒粒子内に入り,細孔内表面の活性点で反応しながら触媒粒中心部まで拡散していく.そこで,Zを触媒層高,y* を反応ガスの平衡モル分率として,H.R.U.は次のように定義されている.

すなわち,H.R.U.は反応の総括推進力(yy*)に等しいyの変化を与える触媒層高を示している.一次不可逆反応の場合,H.R.U.は触媒外部での項である移動単位高さH.T.U.と触媒内部での項である触媒単位高さH.C.U.(height of catalytic unit)との和になる.

H.R.U. = H.T.U. + H.C.U.

ここに,Gはガスの質量速度,kdkr はそれぞれ物質移動係数,反応速度定数である.H.R.U.の値をあらかじめ求めておくと,触媒層高Zは,

によって容易に算出できる.なお,積分項,

は反応単位数N.R.U.(number of reaction unit)とよばれている.一次反応では,N.R.U.は転化率xを用いて次のように定義されている.

ここで,kは反応速度定数,θは反応時間である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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